短編:(理佐×ねる)
お風呂から上がり、理佐の元へと戻ると、ベッドに寝転がりながら携帯をいじっている。
理「あ、おかえり。おいで。」
私に気がついて、携帯を枕元に置くと、理佐の隣を空けるようにして布団をポンポンと叩く。
初めてできた恋人、初めての好きな人とのお泊り。
目の前で優しく微笑む、だいすきなひと。
私の心臓が、静かにしているわけがない。
理「ねる、すっごいドキドキしてる」
ね「好きな人とお泊りなんて…初めてだから…」
理「ねるの初めてもらえて嬉しいよ?」
理佐の隣に寝転がる私の心臓の音が、理佐に伝わってしまうぐらい、ドキドキしていた。
理佐との出会いは、私が高校生になって初めて始めたバイト先に、2個上の理佐が居た。
理佐は高校に入ってからずっと、このコンビニでバイトしているらしく、三年目。
同じ高校生ってことで、理佐に仕事を教えてもらうことが多かった。
戸惑う私に優しく教えてくれて、理佐に助けられることがたくさんあった。
理佐と話すこと、一緒にいることが多くて、理佐が休みの時でも、私の様子を見にコンビニへ来てくれることも何度もあって、帰りは一緒に帰ってくれたり…。
そんな理佐がある日の帰り道、私に「付き合ってほしい」と言ってきた。
ずっと "私は理佐のことが好きなんじゃないか" と思っていたから、驚くと同時に、嬉しくて「お願いします」と返事をして、付き合うことになった。
だけど、私は今まで誰とも付き合ったことがなくて、理佐が初めての恋人。
初めて手を繋いだ時も、初めてキスされた時も、ドキドキが止まらなかった。
そんな私が今日、初めて理佐とお泊りをする。
理「明日で1ヶ月だって、早いね?」
ね「うん、初めてのことがたくさんですっごい楽しかった!」
理「ねる、モテるでしょ?なんで私が初めてなんだろう」
同じ布団に包まれながら、私の手を優しく握っていた力が、少しだけ強くなる。
それが、どういう意味なのか、分からない。
だけど、今想う素直な気持ちをちゃんと伝えなきゃいけないと思った。
ね「モテてるとか分からないけど、この人のことが好きかもって思ったのも、好きだって思えたのも、理佐が初めてなの。私は理佐に出会えるのを待っていたのかなって思ったんだよ。」
電気を消して、小さな灯だけがついている静かな部屋に自分の声だけが響いて、少しだけ恥ずかしくなる。
でも理佐は握っていた手を放して、私にギュッと抱きついてきた。
理「…私が最初で最後がいいなって思っちゃう。これからもっと長い時間を一緒に過ごして、私の嫌なところも見えるかもしれないけど、ねるに好きでいてもらう為なら、どんな努力だってする。」
ね「それは、私も同じ気持ち。それに、理佐の初めてにはなれなかったけど、最後にはなれるかもしれないでしょ?」
その言葉を聞いて、私の目を見て優しく微笑む理佐。
理「ねる、だいすきだよ」
そのまま、ゆっくりと唇が重なった。
何度しても、大きく心臓が音を鳴らす。
それほど理佐のことが大好きで、理佐からの愛が伝わってくるのだろう。
理佐にだったら、もっと愛されてもいいと思った。
初めて直で感じる、理佐の肌の温まりは とても心地が良かった……。
--終--