佑「ゆいぽ〜ん」

少し眠そうに、甘えた声を出しながら私にギュッと抱きついてくる。



ベッドの上で、この状況…私の心臓が大人しくしているわけがない。

お互いお酒の匂いがほんのり香る暗くて静かな部屋で、鳴り響いているんじゃないかと思ってしまうほど、大きな鼓動を感じる。




由「一緒に寝るから…あんまりくっつかないで」


佑「なんで〜。ゆいぽん落ち着く〜」


由「またそんなこと言って…」



ふと佑唯の方を見ると、眠そうな顔をしながらも、私のことを見つめていることに気がつき、そんな表情を見ていると、今まで抑えていたものが弾けそうになった。



なのに、その視線から目を離せず…



佑「ゆいぽ…んっ」


唇を重ねてしまった。


柔らかな唇を直接感じて、一瞬 "なにをしているんだ私は…" と頭の中で思ったものの、その行為を受け入れている佑唯に、私の想いは止まらなくなった。



むしろ、佑唯の方から深いキスへと誘ってくる。



佑「ん…ゆい…すき」


重ねた唇の隙間から漏れる息と、唇が離れた時に発された言葉、私は聞き逃さなかった。



強く抱きしめると、佑唯も私に強く抱きついてくる。




そして気づけば、私の手は色々なところへと伸びていた…。










➖翌朝。




由「んーっ。何時だろ…」

目が覚め、時間を確認しようとして、昨夜こことを思い出す。

そして、隣には洋服を身に纏っていない 佑唯の姿…。




あぁ、私……。


順番を誤っている。


そもそも、佑唯は酔っていたし、「好き」という言葉もどんな感情かハッキリ分かっていない。


理性に負けて私は…。


だけど、昨夜の可愛い佑唯の姿を思い出すと、それだけで鼓動が少し早くなったりして。



そんなことを考えていると、隣で気持ちよさそうに寝息を立てていた佑唯がモゾモゾと動き出して、目を覚ました。


眠たそうな目を開け、私の顔を見た瞬間、


佑「…キャッ!!」



マヌケな声を出して、布団を頭から被り、一瞬にして佑唯の姿が見えなくなった。




由「えっ…あの…。おはよう…ございます。」


佑「…おはよう。」


由「一応、確認なんだけど、昨日のことは覚えて…」


佑「……る。」


由「はい…。」

二人の間に、変な時間が流れる。



「ごめんなさい」
って言うのは、なんか違うし、てかなにこの反応…。


洋服を身に纏っていないことが恥ずかしいのか、昨夜のことに戸惑っているのか…。





由「ねぇ、佑唯。顔、出してよ」


その言葉に、顔は全部出さずに、目まで見えるぐらいに布団を下げた。



由「この状況で…てか、順番がおかしいのも分かってるんだけど、私は佑唯のこと好きだし、その…付き合ってくれませんか。」


布団から出ている目で、私をしばらく見つめた後、顔を全部出して、なぜか少しだけふてくされたような顔をした。



佑「私もゆいぽんのこと好きだし、付き合いたいけど、ゆいぽんは付き合ってなくてもああいうこと…するんだね!」


由「いやあれは…!佑唯から誘ってきたっていうか、でも、好きでもない人とはしないし…はぁ…ごめん。でも、本当に好きな人としかしないから」



言い訳なのは分かっているし、私の言葉を聞いてずっと唇を尖らせている佑唯を見て、申し訳ないことをしたと反省した。


どんな状況になっても、言葉を言わずに行動をしてしまった私が悪い。




佑「…まあ、私も酔った勢いでゆいぽんへの想いが止まらなくなっちゃったし…ごめんなさい。これからは、彼女 として、よろしくお願いします。」


そう言い終わった後、やっと笑顔になった佑唯にキスを落とす。




由「付き合ったわけだし、もう一回…する?」


佑「ゆいぽんって見かけによらず…オオカミだね」


由「やめてよ、その言い方。」





甘い朝から始まった、佑唯との新しい日々。



佑唯となら、辛いことも苦しいことも、乗り越えていける気がする。


何よりも、楽しいこと嬉しいことが、たくさん待っているんじゃないかって、ワクワクする。



私の大好きなこの笑顔を、これから先も私が一番近くで見れるように、私がこの人を守っていきたい。





--終--