ブルージャスミン。 | centerswitchのブログ

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ウッディアレン監督の「ブルージャスミン」を観賞。



一言で言ってしまえば「プライドばかりが高く中身を伴わない痛い女が壊れていくまで」
なんだけども、このジャスミンを他山の石に出来ない人、結構いると思う。

以下ネタばれを含みます。

ジャスミンのダンナになった男は、投資と見せ掛けて人の金を使うわ、浮気三昧で誤魔化すわ、のトンデモない詐欺師だったのだが、ジャスミンは目の前のきらびやかな生活と自分のプライドを捨てたくないがために、他人の忠告も聞かず、あえて都合の悪い事柄に目をつむってしまう。

そもそも「ジャスミン」と言う名前も、本名の「ジャネット」が平凡過ぎるという理由で改名、大学は中退、プロパーで働いた経験もほぼ無し、でもたまたまダンナが金を持っていたので、自分が思い描いていた金持ち像に近づくべくセルフブランディング。

しばしば他人から指摘されるも、現実を受け止めるのが怖くて自分の心を誤魔化してしまう。

そうこうしている間にも、現実は自分の思いとは別に進んでしまい、ウソで塗り固めた人生は自分でハンドリング出来ないほどに。

そもそもセルフブランディングって何なのだろう?

ジャスミンが一文無しになっても手離せなかったヴィトンやシャネル、ヴァンクリフなどきら星のようなブランドって創始者は「一流ブランドになるぜ」って始めた訳じゃないはず。

自分の信念、技術、努力、、
0からスタートして続けていたらいつしかブランドになってのが、それらのブランドのはず。

セルフでブランディングなんかしないのが本物のはず。

だけどジャスミンは、上流に憧れるがために、そのままうわべだけ掬ってしまった。

「良いとこの出」ではないコンプレックスから、学歴職歴を偽り、結局は手に入りそうだった目の前の愛すら逃してしまう。

ジャスミンと血の繋がりのない妹は、確かに男の趣味は悪いにしても、見栄も張らず、スーパーのキャッシャーという仕事に卑下することなく(ジャスミンは受け付け嬢やキャッシャーを馬鹿にしていた)、自分の気持ちに正直に生きているので、借金もある離婚歴もあるけれども、なんだかんだジャスミンよりは幸せに見える。

人の幸せは金じゃない。

そう言うのは簡単だ。

けれども金があることでしか(しかも人が稼いだ金)自己肯定出来ない人もいる。

「配偶者の金でしかプライドを保てない人がいる」のは、程度の差はあれ、この日本の中にもたくさんいる。(男も女も。)

ジャスミンはどうしようもない女として描かれているけれども、どこかで虚栄心を捨てて、お花畑な女王願望から解放されて、いつか質素ながらも自分の足で歩いていて欲しい、って思ってしまう。

ともすれば私だって陥るかもしれない、虚栄心からの自爆。

そこからの自立が、多分ジャスミンとジャスミン候補生の救いになるはずだから。