江戸しぐさ。 | centerswitchのブログ

centerswitchのブログ

A PASSAGE TO ....

江戸しぐさ、という言葉。

恥ずかしながら最近知った言葉なのだが、江戸人の粋、マナーを越えた「哲学」とも言えるものだ。

100万人以上の大都市だった江戸において、トラブルにならないように考えられた倫理観とも言えるものだが、もちろん現代でも充分に通じる。

通じるどころか、むしろ今だからこそ再び学ぶべき生活道だ。

自分が自分が!と過度に自分を主張せず、心に余裕を持ってお互いに少しずつ譲り合いましょう、という考え方である。


例えば有名なのは「傘かしげ」。

傘をさしている者同志がすれ違う時に、お互いに少しずつ傘をかしげて、相手に傘からの雨のしずくを落とさないようにする所作。

当然二人とも濡れてしまう。

それを「お互い様」とする考え方だ。


しかしながら、現代の東京。

人に思いやりを、と誰しもが分かってはいるものの、世界の中でも有数の人口密度を誇る(?)この都市で、イライラせず、八つ当たりせず、どんな時にも自分はさておき人に道を譲る、というのは言葉で言うほど簡単ではない。

会社に間に合うように電車に乗れば、足の置き場のないくらいの満員電車。

東京都内を車で走っていれば、場合によっては思いきって割り込んで行かないと、渋滞をさらにひどくしたり、むしろ危なかったりする。

誰もこれを良しとしているわけではない。

この状況を正しいと思う人は多分殆どいないはずだ。

これではいけない、と思ってはいても、世の中が急にうまく回り始めるわけはなく(いきなり東京が過疎化したら、それはまた大問題)、だったらつべこべ言わず、少しずつ改善するのを期待しながら、食うために働きに行こうではないか?

大抵の人はそうやって、ある意味悟りを開いて(諦めて?)働きに行くのである。

これはまさに現代の「東京しぐさ」ではないか??



たまーに、ラッシュの電車に揺られて通勤する人に対して「大変だね~、自分には出来ないわ、ホント偉いわー」と優越感を持って同情的に話す人もいるが、そんな彼らの生活を支えているのは、通勤ラッシュで揺られて通っている人達の働きによるものであるかも知れない。

そういうコト言う人って、粋じゃない。

まぁ、ムキになって言い返すのも不粋だし、私も気をつけよう!!

江戸しぐさを読んでると、耳が痛いことが多いし。。


この先、日本がどんなふうに変わって行くかは分からないが、粋であるという考え方は、ずっと残って欲しい。

それが日本の生き残る術だと思うのである。



Android携帯からの投稿