首、手首、足首という3つの「首」には、血流の多い動脈が皮膚の表面に近い部分を通っています。露出したままにしていると、血液が冷えて全身に冷えが広がります。また手首、足首は、血管だけでなく、神経や経絡も通る集中路ですから、冷えは大敵です。

 手首は、長袖の服を着たり、手首まで覆う長めの手袋を使うことで冷えを防げます。手首を反対の手で摩って血流を良くしても、効果があります。

 足首は、くるぶしまでの短いタイプではなく長めの靴下や、レッグウォーマーなどを使う防寒対策が効果的です。

 襟元の隙間を無くせば、胸や腹部、背中など広い面積の皮膚温が高くなります。たとえ0.1度であっても広い面積で温度が上がれば、脳の体温調節中枢に『充分温まった』という情報が伝わり、AVAが開き始めます。

 そして、手を温める場合は、カイロなどで局所的に温めるよりも手袋で手全体を覆うほうが、全体の表面積の5%に相当するので効果的です。

 体を温めているはずなのになかなか温まらない時には、どこかが露出しています。3つの首をチェックしましょう。

 今年の冬に気を付けなければならない大敵は、インフルエンザ × 武漢コロナです。冷えから来る免疫力の低下は、絶対に阻止しましょう!!

 

参考資料:日経Gooday 2016.12, 2017.12, 厚生労働省「2019人口動態統計」, 2020

参考論文:動静脈吻合(AVA)血流と四肢からの熱放散調節,平田耕造, 日生気誌 53(1):3–12,2016