となると、普段から自分で生体としての基本的な免疫力を高めておく必要があるのは、当然の理です。それが、感染しても発症しない、或いは発症しても重症化しない為の自衛手段です。
 実はその方法は単純です。ワクチン以外で免疫力を高めるには、血液循環やリンパ循環を良くしてあげれば良いのです。
 ここで言う免疫力とは身体の防衛能力全般の事で、それぞれの免疫細胞の能力の事ではありません。言うならば、どんなに戦闘機やイージス艦を設備しようと、自衛隊員をどんなに鍛えようと、或いはどんなに検査キットや人工呼吸器を設備しようと、医療従事者がどんなに頑張ろうと、全ての対応について連携や指令系統が順調に機能しなければ、防衛の全体能力を引き出す事はできません。
 多くのリンパ球は、身体中の血管系とリンパ系の中を、非常に速いスピードで繰り返し循環しています。一個のリンパ球が血液中にいる時間は、平均30分とされます。血流を離れて組織に入り、リンパ管を介してまた血液に戻ります。つまり、特定の抗原にリンパ球が対応できるパーセンテージは非常に低いのですが、リンパ球が早い速度で血管-リンパ間を繰り返し行き来してパトロールし、病原体が侵入すると即応するのです。
 これらの事から…

                       (続く)