神田神保町/とんかつ「まんてん」

神保町の交差点から白山通りへ、2本目の路地を右に入ったところ。

隣のカレー屋さんには列ができている。


manten20060127


写真は特上とんかつ650円

カウンターの席に着くと私の背後から何かを届けにきたらしい人の手に封筒。

それを受け取った店主らしい女性がぶつくさ言っている。

「忙しいときにねぇ。まったく、なに考えてんだか」。


つぎつぎにお客さんからの注文があり、肉をたたいて卵にぼってりと浸してパン粉をまぶして押さえてから、それをひとつのフライヤーに無造作に放り込む。すでに先客が音を立てている。

見ただけではそれが特上なのかロースなのか区別がつかない。


なんだかどきどきしてきた。


私の前にまだ食べ物が届いていないお客さんが3人いる。

店主、一人ずつ注文の確認をしている。私はまだ聞かれない。


店主、「間違えちゃいけないからね」。


揚がったらしいとんかつを熱そうに引き上げる。

軽く「ためつすがめつ」してから、まな板に放り出すように乗せて、ざくざくと包丁を入れる。皿に盛った後に、

「お客さん、とんかつでしたっけ」

ともう一度確認する。


こんどは私が注文の確認を受ける。「特上」と恥じらいがちにいう。650円とはいえ、特上は一番高いものだから、口にしたくなかった。


次の人にとんかつが渡された。私の前に席に着いたらしいひとと目があった。何となくの不安な気持ちが共有されていることを確信して、ふたりにしか分からない程度に口元に笑みを浮かべる。


とんかつとご飯とみそ汁が配られる前にお新香を置いているらしいことが分かった。私の後に座ったひとに店主が、

「お新香まだだよね?」

と聞いて置いたからだ。私の前にお新香はない。


いつきりだそう。聞いてくれなかったら、諦めようか・・・


特製とんかつが私の前に届いた。ご飯とみそ汁も届いた。お新香は届かない。だから、写真にはお新香は写っていない。


店主は新しいとんかつを揚げている。厨房の奥にはいろいろな人が通り過ぎる。何人いるんだ?


私は食べ始めた。結構、いける。上あごがパン粉でいたくなるくらいがつがつ食べる。それにしても、隣の若者ふたりの話が、うるさい。ふたりが働いているらしい店の店長の言動などについて、真剣に、大声で、話し合っている。


店主、「あれっ、お新香まだのひと、いる?」とカウンターの客の顔を見渡す。


いまだ。


私、手を挙げて、「はいっ」。


こうしてようやく落ち着いて食事を楽しめるようになると、隣の若者のつまらない話も気にならなくたってきたら、理解できた。


そうだ、隣のカレーのお店と厨房の奥でつながってるんだ!

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住所:東京都千代田区神田神保町1-54  地図

営業時間: 11:00~20:00 定休日:日曜・祝日 席数:約13~15席(カウンターのみ)



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