足りない「哲」分は「メタル」で補給する第六弾!!!

 

超絶技巧キーボーディスト「ヴィタリ・クープリ」率いる「アーテンション」。

 

曲調的には「北欧メタル」路線だけど「アメリカ」発信の「メタルバンド」です。

 

ただ、「アーテンション」のアルバムは7枚しかないので、「ヴィタリ・クープリ」のソロプロジェクトと「ヴィタリ・クープリ」が参加していたバンド「Ring of Fire」についても紹介する。

まず、「アーテンション」の1枚目のアルバム「Into the Eye of the Storm (1996年)」を聴いた時点で度肝を抜かれた。
言ってしまえば、キーボード版の「イングヴェイ」がいた、だ。

 

オレが大好きなシンセ「KORG 01/W」を縦横無尽に弾きまくっている
 

使用している音色、フレーズを聴けば「ヴィタリ・クープリ」の世界が認識出来る。
イェンス・ヨハンソン」同様、オレが「利きキーボーディスト」が出来るうちの一人である。

 

その「ヴィタリ・クープリ」だが、単なるキーボーディストではない。歴としたクラシックピアニストでもある。

ピアニストヴィタリ・クープリ」については、ソロプロジェクト&「Ring of Fire」の方で後述するので、まずは、キーボーディストヴィタリ・クープリ」を紹介したいと思う。

 

アーテンション」のアルバムとしては、「どれが一番」と決められないくらい、どこを切っても「ヴィタリ・クープリ」だ。
普通の曲は流れで言うと、イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→(場合によって間奏)→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→サビ→大サビ→アウトロ、となると思うが、間奏部分で「ヴィタリ・クープリ」のキーボードソロが響き渡る。
これ本当に『人間』が弾いてるの?」と思うほどの超絶技巧

 

アーテンション」の7枚のアルバムからそれぞれ「これを聴けばOK」な曲を敢えて5曲ずつ選んでみた。

 

1stアルバム「 Into the Eye of the Storm (1996年)」
Into the Eye of the Storm」、「Lost Memory」、「The Key」、「Song of the Desert」、「Let It Ride

 

2ndアルバム「Phoenix Rising (1997年)」
Area 51」、「Into the Blue」、「Phoenix Rising」、「The City Is Lost」、「Goin' Home

 

3rdアルバム「Forces of Nature (1999年)」
The Forces of Nature」、「The Truth」、「Wild Trip」、「Guardian of the Hunt」、「You Are My Heart (Ode to Autumn)

 

4thアルバム「Machine (2000年)」
Machine」、「The Way」、「Wings of War」、「The Loser Never Wins」、「I See Through Your Eyes

 

5thアルバム「Sacred Pathways (2001年)」
Your Victory」、「Running Out of Time」、「Emperor」、「March to Ruin」、「Keeps Me Alive

 

6thアルバム「New Discovery (2002年)」
New Discovery」、「Remember My Name」、「Innocence Lost」、「Symphonic Expedition」、「Endless Days」、「Story Teller」、あっ、6曲になっちゃった

 

7thアルバム「Future World (2004年)」
Dark Before the Dawn」、「Federation」、「Prelude」、「Future World」、「Stand & Fight

 

クラシックのフレーズを取り入れている曲もあり、1stアルバムInto the Eye of the Storm」の5曲目Lost Memory」は「J.S.バッハ」の「平均律クラヴィーア:Fugue #4 In C Sharp Minor, BWV 849」をモチーフにしているので、「バッハ」好きのオレには堪らない曲となっている。

 

 

実は、1stから6thまでは「YouTube」にアルバムフルでアップされている。
版権的に問題無いのかと心配になるが、ご興味のある方は聴いてみてほしい。

...、と言いつつそのリンクを貼っておこう。

 

1stアルバム「 Into the Eye of the Storm (1996年)」

2ndアルバム「Phoenix Rising (1997年)」

3rdアルバム「Forces of Nature (1999年)」

4thアルバム「Machine (2000年)」

5thアルバム「Sacred Pathways (2001年)」

6thアルバム「New Discovery (2002年)」

 

 

ここまでが、「アーテンション」の紹介でした。

 

 

 

 

以下は、「ヴィタリ・クープリ」のソロプロジェクトと「ヴィタリ・クープリ」が参加していたバンド「Ring of Fire」についてです。

上記「アーテンション」を堪能した方は「ヴィタリ・クープリ」をもっと聴きたくなるだろうと期待している。
ソロプロジェクトである「Vitalij Kuprij's Revenge」と彼が参加しているバンド「Ring of Fire」以外のソロアルバムは「インスト」アルバムだ。

キーボーディスト&ピアニストヴィタリ・クープリ」が本当に好き勝手に弾きまくってる
クラシックフレーズを取り入れてる曲あり、超絶技巧の速弾きな曲あり、プログレあり、という感じで何でもありだ。
ヴォーカルが無い分、「ヴィタリ・クープリ」のキーボードが目立つ目立つ。

お薦めのアルバムは「Forward And Beyond」でしょう。
1曲目の「Forward and Beyond」から「ヴィタリ・クープリワールド全開だ!!!
...、と思いきや、2曲目「Piano Overture」では「ベートーヴェン」のピアノソナタ月光」の「第3楽章」が使われているし、4曲目の「Variations In D Minor」では「モーツァルト」」の交響曲第40番の「第1楽章」が使われている。
」と「」は上手く交わっているアルバムだと思う。

 

 
ただ、ヴォーカルありの、いわゆるバンドのアルバムもある。
それが、「Vitalij Kuprij's Revenge」と「Ring of Fire」だ。

 

Vitalij Kuprij's Revenge」は「ヴィタリ・クープリ」ソロプロジェクト第一弾で、そのアルバム名もズバリ「Vitalij Kuprij's Revenge」だ。
バンドの布陣も、「イングヴェイ」好きにとってはニヤニヤしちゃうヴォーカリストが揃っている。
アーテンション」が2004年以降アルバムを出していないので、こっちをメインに活動するのかと思うくらいだ。
ただ、アルバムも1枚しか出ていないので、今後どうなるかは不明である。

 

もう一つ、「ヴィタリ・クープリ」が参加していたバンド「Ring of Fire」、これがまた素晴らしい。
かの「マーク・ボールズ」と立ち上げたバンドである。

ヴィタリ・クープリ」が関わっているスタジオアルバムは、
・1st「The Oracle」
・2nd「Dreamtower」
・4th「Battle of Leningrad」

3つなんだけど、「The Oracle」のインパクトがあまりにも衝撃的だったのでこのアルバムだけに絞って紹介したい。

ヴォーカルは「マーク・ボールズ」なので全く問題無し。

1曲目の「Prelude for the Oracle」は「バッハ」をモチーフにしたような「パイプオルガン」の曲で、まさにアルバムの「プレリュード」という感じだ。
そのプレリュードを経て、2曲目Circle of Time」からは全開モード!!!
4曲目Vengeance for Blood」、6曲目City of the Dead」、8曲目The Oracle」、9曲目Interlude」、12曲目Face the Fire」と素晴らしい曲が目白押しだ。

Vengeance for Blood」はミドルテンポのバラード、「City of the Dead」は使っているコードが良い感じなので個人的に好きな曲、「The Oracle」は8分を超える大作、「Interlude」は「バッハ」の「平均律クラヴィーア:Prelude #14 In F-Sharp Minor, BWV 859」をモチーフにしている曲、「Face the Fire」はアルバムの締めに相応しいノリノリの曲となっている。
13曲目Sakura Sakura」はボーナストラックであり、伝統的な日本の歌「さくらさくら」なんだけど、「マーク・ボールズ」は単なるメタルのヴォーカリストではなくオペラ発声も出来るので、凛々と歌い上げている。

実は「ヴィタリ・クープリ」は「アーテンション」としては来日したことが無く、「Ring of Fire」のライブで来日している。
この「Ring of Fire」のライブは、「BURNING LIVE IN TOKYO 2002」という映像作品でリリースされている。

YouTubeにも映像があった。
アルバム「The Oracle」のレコーディングギタリストは「ジョージ・ベラス」なのだが、ライブでは「トニー・マカパイン」が弾いている。
ということで、ライブのメンバーは、ヴォーカル「マーク・ボールズ」、ギター「トニー・マカパイン」、そしてキーボード「ヴィタリ・クープリ」という夢のメンバーとなっている。
ところが、このライブ、アクシデントが続いたようで、元々ピアニストの「ヴィタリ・クープリ」はキーボードを強く弾き過ぎてしまい、鍵盤を壊したということをどっかの記事で読んだことがある。
なので、上記映像作品「BURNING LIVE IN TOKYO 2002」は良いとこ取りに編集しているのでしょう。

 

以上、本当は「アーテンション」の紹介をしたかったのが、途中から超絶技巧キーボーディストヴィタリ・クープリ」の紹介になってしまった。

ヴィタリ・クープリ」、凄いキーボーディストです!!!

 

今回、長文だなー