夏は特別である
暑さではない

この年になっても
夏になり
炎天下の歩道を歩いていると
夏休みに帰省した田舎のあぜ道を
麦藁帽子をかぶった
少年が
田舎道を歩いているのがみえる
自分である

黙々と湧き上がる
入道雲
通り雨

騒々しい
せみの
井戸端会議

時折吹く
涼風

私の田舎である

今年も家族で行く
父と母の
墓参である
岡山、広島、大阪の
親戚も集う

思い出という過去
父母のいなくなった現在
集う私の将来

夏は特別である