朝 6時10分
白い息を吐きながら、ドアを明ける
毎日の散歩に出る
滋子さんが倒れてから、眠れない日々が続いた
朝、夜明け前に目が覚め
不安で眠れない日が続いた
えーいと一念発起し
毎日朝の散歩を日課とした
あれから
5年
朝の散歩はほぼ毎日続く
冬の朝は
まだ暗い
南の空が赤く輝いている
いつも
南の空に
明けの明星
金星が輝いている
われわれ夫婦の行く道を示してくれているようである
介護の生活
本当に必要なのは
自分たちの行く道を示してくれるものかもしれない
今日も明けの明星は孤独であり
そして、われわれ夫婦を照らしてくれる