ちぐはぐであった
我々夫婦は、
結婚した当時から
そいして、今でも
30数年
暮していまなお
ちぐはぐである
いっしょに何かをした記憶はほとんどない
同じ景色を見ても
観光に行っても
同じ共感を得たと思ったことはほとんどないのでは
それでも30数年暮らしてきた
どうだ
すごいだろうというつもりはない
なぜなんだといえば
結婚して
鹿島で暮らして
子供が生まれて
東京に転勤
技術畑から営業畑
不安で夜眠れないときがあった
いつだったか
夜 目が覚めた
隣に滋子さんが眠っていた
当時はいびきはない
可愛い奥さんだった
寝顔をみていると、ふと
私より、滋子さんのほうがもっと
不安なんだろうなあ
と思った
その寝顔を見ながら
決してこの寝顔を泣き顔に変えてはならないと
思った
決心した
そう思ったら、
不安はなくなった
爾来この考えは
変わっていない
ちぐはぐでもいい
その思いがあれば
ちぐはぐであったもいい
そう思いませんか
娘がいる
結婚している
周りに若い夫婦がたくさんいる
あえて、いう気はないが
ぜひ同じような
気持ちを
持ち続けてほしい