落語にあくび指南というのがある
小さんのあくび指南が一番すきである
小さんは、うどんやそばの食べ方が名人といわれているが、
人の良さは名人だが、いまいち落語家としての魅力を感じない
僕だけである
そのあくび指南
内容は、江戸時代、習い事が庶民にはやっていたころの風刺
変わった習い事をしたいと、ある江戸っ子が友人を連れて、粋なあくびを習いに行く
初心者コースとして、陽だまりの中船べりでつりをする そのうち、あたりがないことから、あくびをする
その設定で、退屈で、退屈で といいながら、間のあいたあくびをするわけである
オチは、その習い事をみていた友人が、くだらないからと あくびをする
それをみた師匠が、そのあくび名人芸とほめる

表情と間の面白さである
私もよくあくびをする
仕事が終わって、友人と可愛いお姉さまや昔可愛かったお姉さまあるいは、そうした時期がなさそうなお姉さまの(失礼)お店で、ウィスキーを一口のみ、ほっとしたとき、あくびをする
決まって言われるのが、
お疲れね
である
別に疲れているわけではない
ただ、仕事が終わってほっとするとでる
医学的にあくびをなぜするのか明確ではないと思う
眠たいときだけでなく、緊張したときにもでるそうだ
欠伸と書く
欠は口を大きく開けること、すなわち口を大きく開けて背伸びすることである
我々のあくびはかみ殺したような欠伸である
海外でも欠伸をする
同じことを言われる
海外では、お酒を飲みに行くことは、楽しみに行くことである
全身で楽しむ
ケニアやアフリカでは、踊りである 鏡の前で踊っている
英国ではおしゃべりである
フランスはくどく
イタリアではいいよる
私は、格好をつけているのではなく、ほっとして静かに飲むのが好みである
アメリカやほかの国で、こういう格好はしないほうがいい
さびしそうにみえる
しかも友人もつくれない孤独な人間
恋人にふられたばかり
いずれも哀れさと悲哀がにじみ出る
海外のホテルで、バーのカウンターで一人座って飲んでいる
と、同じような境遇のひとから声をかけられる
そして、会話が弾む
こちらはゆっくり、のんびりしたいのだが、そうはさせてくれない
彼の家族、仕事すべて聞かされる
海外の夜
よほどのことがなければ、時間はたっぷりある
だから、こうした会話もいい思い出である
今週は、大きな仕事がなく、時間をもてあましている
まさか、退屈で、退屈で と欠伸をするわけにはいかない
時計の進み方がやけに遅い