そういえば、以前勝ち組、負け組ということばがはやったけ。
今年年末は、富裕層ということばが、踊るかもしれない。
いずれにしろ、愉快でないことばである。
わずか60年前、日本全体が焼けの原で、米軍の後を、 give me chocolate と鼻水をたらして、追っかけまわしていた。
もちろん、私は、その世代ではない。25年生まれであり、森永砒素ミルク事件の時代である。
おなかをすかしていた世代でもあり、まわりに、朝鮮半島からの引揚者のひとが多くいた。
給食に脱脂粉乳、まずいコッペパンの洗礼をうけた。
肝油もしっている。
貧しい時代であった。懐かしくなんてない。戻りたくもない。
でも、意味なく、ひとを富裕とか貧困とかに分ける時代にも住みたくはない。
どちらをとっても、こころまで貧しく感じる。