昨夜来、激しい雨である。雨音が気になって、何度か眼を覚ました。
秋雨である。
関西は、梅雨時期に大雨、関東は秋に大雨といわれているが、昨夜は正にそうであった。
夜明け前、妻のベッドサイドへ
気持ちよく寝息を立てていた。
昨夜、初めて、ネブライザーで気管から肺の加湿を行った。
秋口から冬期は、空気が乾燥するので、加湿をおこなった。
通常の空気は、相対湿度100%以上の水分を含んでいない。30℃で1m3あたり(1mの立方体)25mmg程度含むことが出来る。
これでは滋子さんの場合不十分のようである。
したがって、水分を細かい霧状にして、吸い込む必要がある。
医療機器メーカーにその回路を説明して、準備するようにしたが、まったく用を得ない。「あのね ネブライザーの粒子をマスクから吸入するには、超音波ネブラーザーと圧縮空気の方法があって、超音波ネブラーザーは高額だし、量が多すぎるので、圧縮空気式がほしいのだけれど」
「はあ」
「超音波ネブライザーはマスクと蛇管が直接つなげるのだけれど、圧縮空気式は、ネブラーザーと蛇管が直接つなげない」
「はあ」
「だから、ネブラーザーの出口に22mmのコネクターが必要なんですよ  用意してください」
「カタログにないので、分かりません」
「一般に人工呼吸器の回路に使われている方法ですよ」
「人工呼吸器は扱っていませんので、分かりません」
「それに、蛇管をつけると、ネブラーザーの粒子が蛇管で止まって、加湿できないのでは」
「ネブラーザーの粒子は2から4ミクロン この径の粒子は直接肺に届きます。それより大きいと口や上部気道どまりで肺に届きません 小さい径の粒子は肺に入っても、呼気といっしょに出てしまいます」
「本当ですか」
後輩諸君、もっと幅広く勉強してください。
患者が在宅に戻ると、いろんなケースに遭遇しますよ。
カタログにないから分かりません
こんな言葉は聴きたくないですよ

夜明け前、雨は一段と激しくなってきた。妻のように、在宅で療養している人は多くなっている。こうした人を支えるのは、医師や介護の人だけでなく、医療機器を供給するひと、あなたですよ。
秋雨 は慈雨である。人の上に実りをもたらす、命の水でもある。
介護を支える人は、在宅で療養している人々の慈雨でもある。