7時ごろ、滋子さんが、車いすにのりたいという。
和室から車いすを出してきて、乗せる。
テレビを見ると聞くと、うなづく。
眼鏡を掛けさせ、テレビの前。
チャンネルを回しながら、見たい番組を聞く。クイズ番組に決めた。
1時間ほど見て、寝たいというので、車いすからベッドへ。
車いすから動かそうとすると、不自由だった右手の指を動かしている。指を差し出すとかなりきつく握り締めた。
退院当時殆ど動かなかった。
きっと、毎日動かしているのであろう。
日々、ベッドの世界。
どんなに、元に戻りたいのであろう。
思わず抱きしめると、その暖かさが伝わってくる。
滋子さん、あなたの暖かさはもとのままだよ。