8月14日
昨日は、滋子さんの58歳の誕生日。
息子が岡山からの帰りに寄ってくれた。
56歳、57歳、58歳、3回の誕生日を病床で迎えた。
お疲れ様。
本当にお疲れ様。
身体を抱いてあげると喜ぶ。
私からの誕生日のお祝い。
滋子さん、58歳 よくがんばっているね。
と言っていると、息子が突然部屋に入ってきた。
まったく驚かされる輩である。

そして、今日は8月15日。終戦記念日である。
うだるような暑さ。
せみ時雨。
一年に一度、この暑さが身にしみる。
63年前
この暑さを我々の先輩はどのように感じていたのだろう。

戦禍のむなしさを知らない我々世代には、終戦記念日は、単なる8月15日でしかない。

かつて、ボスニアにいった。
強制的に和平を持ち込まれたボスニア、ヘルチェコビナ。
「あの内戦前までは、ボスニア人セルビア人お互いに仲良く暮らしてくらしていました。友人もたくさんいました。」
「でも、親戚を殺され、この手で彼らを殺し、」
「今、同じ役所の事務所で隣の席に座って、」
「私たちは何を話したよいのか、わからない状況です。」
「心のわだかまりが取れるのにいったい何年かかるのでしょうか」
涙ながらのエレナさん今でも思い出す。
今もかの地には、多くの地雷が眠っている。小さな犠牲者が出ている。
終戦から63年。戦争が風化していく我々は幸せなのではないでしょうか。