日曜日、滋子さんは、痰が多く、何回も吸引しなければならなった。吸引は本当につらい。されるほうもするほうもである。
本当につらい顔をする。でも、痰が肺に逆流したら、即肺炎の可能性が高くなる。
月曜日の朝若干よくなったようである。一泊で新潟出張。
心配しながら新幹線に乗った。家政婦さんが泊まってくれるから安心であるが、外泊するごとに、2万円近く支出する。
会社に請求するわけにはいかない。財布の心配もしなければならない。
もっとも気にしても仕方がないのだけれど。安心と安全が一番
火曜日、家に着き、滋子さんに
ただいま
元気になっている。
でもそれからが、大変。矢継ぎ早に手を握って話しかけてくる。元気になると話したい気持ちがはやるようで、聞き取りにくい。
力強く握った手は、なかなか離してくれない。
こちらは、トイレに行きたいし、着替えもしたい。
10分ぐらいしてやっと開放され、トイレと着替え。
それから、ベッドのそば。
元気な顔をみると、落ち着く。
ほっとしながら、滋子の顔を見ている。
時はゆったり流れていく。