有楽町

チベット問題をどう思いますか。
有楽町ガード下。やきとりや。
前に座って、焼酎を飲んでいるのは、50歳の妙齢のおば様。
ほろよい機嫌の私に、質問を浴びせかけてくる。
質問に丁寧に答えていたものだから、くだんのおば様、いやお姉さま、どんどんありとあらゆる質問を投げかけてくる。
さすがに芸能関係の質問はない。まだ正気のようである。

聖火ランナーを10数名のガードマンが取り囲みながら、走ってゆく姿はこっけいであり、異様である。
ばかばかしさもあるが、もし聖火リレーを取りやめたら、中国がチベットにどんな制裁あるいは報復があるか、考えるととにかく成功してほしいと思う。
閉ざされた社会でのいじめは陰湿であり、無残である。
オリンピック前に平和と協調の対話を世界中が望んでいる。
有楽町の焼き鳥やのすみっこで、せめて制裁や報復がないことを望んでいる。
チベット問題をどう思いますか、
学校でのいじめはどう思いますか。
同列に扱ってはいけないのかもしれないが、いずれにしろ、ちくったあとの制裁や報復は同レベルだと思う。
この試練を打ち勝ったあとに、本当のチベットの姿が見えるのかもしれない。
その間に流す無辜の血と涙の多さに哀れを感じる。
　行く春の　50齢（よわい）の眼に涙　　　字余り