2月29日である。4年に一度1日長く2月を乗り切る必要がある。営業会社や店舗商売の人は一日分の売り上げがあるから経営は助かるのだろう。給料生活者は1日の生活費をやりくりしなければならないから、大変である。
1年間に1日余裕ができて助かると思うか、迷惑と思うかはそれぞれである。
もともと、日月の概念は農耕民族にとって重要であり、ときの為政者にとって重要なことであった。いつ種まきをし、いつ収穫するか。その年が豊作か。狩猟民族にとっては、時間ではないのかな。
何時ごろ、夜が明けて、動物がえさを取りに来るか、水を飲みに来るか、何時えさをたらふく食べて、捕まえやすいかなどなど。
発想が続く。暇なのである。
日本では一時、採用された夏時間、冬時間という制度があり、ヨーロッパでは今も採用されている。全ての国ではないと思うが。米国では戦前、戦後に一時採用されたと話を聞く。もちろん第2次世界大戦のことである。
以前ノルウエーのスタバンガー(第三の都市)に夏滞在した折、白夜までいかないがほぼ同じような体験をした。夜は薄暗くなるだけで、朝3時ごろから明るくなる。
工場は7時に始業し、3時ごろ就業し、皆さん短い夏を楽しむ。こんな環境では夏時間も判る。
カザフスタンに滞在した折、ここも夏時間が採用されている。でも、4月に夏時間になっても、朝日の出まえに朝食をとり、調査や会議に出かけなければならないから、夏時間など大きなお世話という感じである。
特に、カザフスタンではいつから夏時間になるか決まっていなく、大統領令で決まる。そ遅れると前日にならないとわからないケースがある。我々が滞在していたときも同じで、国営ホテルのフロアー叔母ちゃんが(手なずけておいたので、こまめに面倒を見てくれる)、明日から夏時間だから気をつけてねと助言を受けた。早速、同行の人に話すと、相手側の担当者からそんな情報はないとのこと、日本大使館に連絡してもわからない。初耳とびっくりされながら、明日から夏時間といわれてもおかしくないですねとのコメント。
フロアー叔母ちゃんに、間違いではないかというと、憤慨して、大統領府の担当者に連絡を取ってもらい、そうであることを確認した。
次の日、重要な会議があり、夏時間で政府の会議室へいくと、誰もいない。待つこと1時間。やおら、先方政府の人が集まってきた。
こちらが今日から夏時間ではと聞くと、え!と驚き、あわてて、確認を取っていた。その後円満に何もないように会議が始まり、一日が終わった。
カザフスタンでは、何人の人が夏時間で過ごしたのだろう。もしかしたら、滞在していた我々日本人だけかもしれない。事実大使館は通常通りの時間で過ごしたそうである。
思えば、時間とはそんなものかもしれない。
今日は2月の29日。神様かえらい天文学者からもらった1日。
どう過ごすかは、勝手。カザフスタンのように今日から3月と思ってもまあ、いいんじゃない。