久しぶりに上海の地を踏む。上海は年の瀬(中国は旧正月)でなんとなくあわただしい。さて、私個人的には中国は嫌いな国のひとつである。階級闘争の果てに、共産党が君臨する新しい階級社会。貧富の差が大きく、いまでも都市部特に沿海部と農村部の格差が大きい。日本では、東京であれ、地方であれそんなに大差はない。たしかにディスコも吉野家も白木屋もないかもしれないけれど、生活水準を考えると、都市部と農村部でどちらが恵まれているかというと、個人個人の価値観の差しかないような気がする。
上海。
中国中央部は大雪で高速道路が遮断され、大混乱。連日連夜、大雪の画面と炊き出しなどの人海戦術の画面。
連日の大雪のニュース。地方によっては通電していない地域があり、大雪で交通網が遮断され、緊急措置で物資を空輸している画像が映し出される。
上海も10数年ぶりの大雪である。交通網は結構乱れている。といってもタクシーがつかまらない程度の混乱である。東京と同じ光景である。
しかし一歩でるとまったく別世界である。大雪のためにほとんどの経済活動が休止し、まさに死世界と化す。
テレビにもうひとつの画面。上海に出稼ぎにでて、新年を故郷で過ごそうとしたが、交通網が遮断され、帰省できなくなり落胆した顔。キップが手に入らなくなり今にも涙があふれそうになった悲しみの顔。またやっと手にはいって喜ぶ顔。まさに新年を迎える悲喜こもごも。
足マッサージをしてもらおうと、理髪店へ。聞くとマッサージ担当のひとが帰省してできないとのこと。おもわず悲しそうな私の顔。
そんなことはどうでもいいか。楽しい新年を迎えてください。
いずれにしろ富が怒涛のごとく都市部に流入し、外車に乗り、高級マンションに住み、エステに通ういわゆる富裕層、台所と寝室2間に一家4人で過ごす都市生活者が迎える上海の新年。
新年のあわただしさとともに、上海を含む中国の大きなうねり。いずれにしろあわただしい。