大森から茅場町へ事務所が移転。日比谷線の茅場町駅から茅場橋を越えたところに移転。茅場橋の中央にリヤカーを改造したようないわゆる不法占拠のかたが先住者として住んでいた。面白い人であった。
先日、京都迷宮案内というテレビ番組、リバイバルだけれど、見る機会があった。
内容は、身寄りのない目立たない青年が、不治のがんを宣告され、自分が死んだら、自分というすべてが消滅し、この世から自分が生きていた証がすべてなくなると悩む話である。
最後に京都タワーから朝日を見ることで何か自分の中に見付けられるのではと、主人公が新聞記者であることを利用し、展望台で一晩あかし、朝日を見るという話である。
昨日、茅場町から築地へ急いで、茅場橋を渡ろうとしたら、身なりがそれとわかる人から、
「だんな、この橋におかしなやつがすんでいたろう。しってる。あいつ死んだよ。しってる。」と声を掛けられた。思わずびっくりしながら、築地へと足を進めた。今朝茅場橋を通りかけると、彼の住んでいたリヤカーがあった。整然としていた彼の住まいは主がなくなり、寂しげであった。いずれ、都が不法投棄廃棄物として処分するのであろう。
自分が生きていた証。テレビの主人公が叫んでいたあの言葉が、胸にこみあげてきた。思えば、私の人生は自分しか出来ないことという言葉に引きずられ、いろんなしごとを手がけてきた。まるで、自分の証を探すように。
妻の見舞いを終え、病院をでるとき、心が和やかになっているのは、きっと、滋子さんがその答えなのかもしれない。
仕事では、常に追い求めているのに、滋子の前では何も求めない。求める気がしない。ただ見つめている。妻が元気になり、我が家の居間が妻の笑顔で満たされるよう。これは求めているのではない。断じてない。ただ、滋子の前にいると、そういう未来が見えるだけである。
先日、京都迷宮案内というテレビ番組、リバイバルだけれど、見る機会があった。
内容は、身寄りのない目立たない青年が、不治のがんを宣告され、自分が死んだら、自分というすべてが消滅し、この世から自分が生きていた証がすべてなくなると悩む話である。
最後に京都タワーから朝日を見ることで何か自分の中に見付けられるのではと、主人公が新聞記者であることを利用し、展望台で一晩あかし、朝日を見るという話である。
昨日、茅場町から築地へ急いで、茅場橋を渡ろうとしたら、身なりがそれとわかる人から、
「だんな、この橋におかしなやつがすんでいたろう。しってる。あいつ死んだよ。しってる。」と声を掛けられた。思わずびっくりしながら、築地へと足を進めた。今朝茅場橋を通りかけると、彼の住んでいたリヤカーがあった。整然としていた彼の住まいは主がなくなり、寂しげであった。いずれ、都が不法投棄廃棄物として処分するのであろう。
自分が生きていた証。テレビの主人公が叫んでいたあの言葉が、胸にこみあげてきた。思えば、私の人生は自分しか出来ないことという言葉に引きずられ、いろんなしごとを手がけてきた。まるで、自分の証を探すように。
妻の見舞いを終え、病院をでるとき、心が和やかになっているのは、きっと、滋子さんがその答えなのかもしれない。
仕事では、常に追い求めているのに、滋子の前では何も求めない。求める気がしない。ただ見つめている。妻が元気になり、我が家の居間が妻の笑顔で満たされるよう。これは求めているのではない。断じてない。ただ、滋子の前にいると、そういう未来が見えるだけである。