C型肝炎薬害訴訟が、ひとつの山を越えて、新しい局面。
患者の方はよかったねという反面、どうして、薬害が後を立たないのだろうと思う。
かつて、世界最大の薬害訴訟としてサリドマイド薬害がある。サリドマイドは、ドイツ(西独)のグリュネンタール社が開発した催眠剤で、1957年10月1日、「コンテルガン」の商品名で市販された。後に妊娠初期の妊婦が服用することによって胎児に独特の奇形(フォコメリア等)が生じることがわかり、1961年11月15日にドイツ(当時西独)のW.レンツ博士がコン照るガンが原因と警告した。1961年11月26日、グリュネンタール社は回収を決定した。 1960年9月に米国メレル社はFDA(アメリカ食品医薬品局)に販売許可を申請したが、M・ケルシーさんはデータが不備として認可を拒否した。
これは、サリドマイド事件の概要である。実は、このサリドマイド薬害には二人の女性が登場する。ひとりは、FDAのケルシー夫人で、米国メルリ社は国会議員の圧力にもめげず、承認を拒否し、米国は薬害を被らずにすみ、後に大統領から表彰された。サリドマイドは妊娠初期のつわりの苦しさから逃れるための薬で、多くの米国女性が承認を望んだ。なかにはヨーロッパで購入し、服用した女性がいた。リンドバーグ婦人である。リンドバーグとは、著名な飛行士で、愛機「スピリッツ オブ セントルイス」に乗り、大西洋無着陸横断を成功させたことで有名である。「翼よ、あれがパリの灯だ」という名文句と映画で有名。最もこれは、彼が言った言葉ではないそうである。
何年か前、このサリドマイドが南米で売られているという話をテレビで見た。低開発国ならではの悲劇である。
今このサリドマイドを認可しようという動きがある。多発性骨髄腫の治療に有効という理由からである。
50年前、多くの奇形児を生んだ悪魔の薬が、今難病に苦しんでいる患者の福音となろうとしている。
薬害は薬の害ではなく、人災である。薬を認可したり、製造を中止したりするタイミングをとる機能がうまく作用するかどうかである。
薬が化学物質である以上、副作用は必ずあり、時として致命傷となる。
C型肝炎は、慢性の非常に進行の遅い病気である。私自身もC型肝炎の抗体を持っている。発症していないだけである。治療をしたほうがよいかとも思うのだけれど、インタフェロンの副作用が大きく、気が乗らない。また私の場合は、あまりインターフェロンの効果が少ないタイプなので、ますます病院への距離を遠くしている。C型肝炎の患者の6割が肝硬変、肝臓がんへと移行するといわれており、無視できない病気でもある。でも進行がおそい。個人差もある。
しばらくはこのままお付き合いしようと思っている。
病気や薬は医者任せではなく、自分も勉強する必要があるとつくづく思う。こちらがしっかりした知識をもっていると、対応がまったく違う。
普通の人はそうはいかないとおっしゃるかもしれない。でも病気は他人事でなく自分のことですよ。
今回のC型肝炎の薬害は、治療中に医師の判断で使用したことによる薬害である。患者は判断できないケースである。
製薬会社と医師の責任は非常に重い。不可抗力であると、自動車事故などのように胃ってはいけない。人の命を扱う仕事を選択したのだから。
とりわけ、厚生労働省の責任は大きいのだろう。
これは皆さんが共通して感じているのだから、あえて言う気にはならない。
でもサリドマイド事件のように、ひとつの薬が多くの悲劇を50年の時間を経て、今度は難病を治療しようとしている。
がから、薬害ではなく人害だとつくづく思う。
みなさんは、どうですか
患者の方はよかったねという反面、どうして、薬害が後を立たないのだろうと思う。
かつて、世界最大の薬害訴訟としてサリドマイド薬害がある。サリドマイドは、ドイツ(西独)のグリュネンタール社が開発した催眠剤で、1957年10月1日、「コンテルガン」の商品名で市販された。後に妊娠初期の妊婦が服用することによって胎児に独特の奇形(フォコメリア等)が生じることがわかり、1961年11月15日にドイツ(当時西独)のW.レンツ博士がコン照るガンが原因と警告した。1961年11月26日、グリュネンタール社は回収を決定した。 1960年9月に米国メレル社はFDA(アメリカ食品医薬品局)に販売許可を申請したが、M・ケルシーさんはデータが不備として認可を拒否した。
これは、サリドマイド事件の概要である。実は、このサリドマイド薬害には二人の女性が登場する。ひとりは、FDAのケルシー夫人で、米国メルリ社は国会議員の圧力にもめげず、承認を拒否し、米国は薬害を被らずにすみ、後に大統領から表彰された。サリドマイドは妊娠初期のつわりの苦しさから逃れるための薬で、多くの米国女性が承認を望んだ。なかにはヨーロッパで購入し、服用した女性がいた。リンドバーグ婦人である。リンドバーグとは、著名な飛行士で、愛機「スピリッツ オブ セントルイス」に乗り、大西洋無着陸横断を成功させたことで有名である。「翼よ、あれがパリの灯だ」という名文句と映画で有名。最もこれは、彼が言った言葉ではないそうである。
何年か前、このサリドマイドが南米で売られているという話をテレビで見た。低開発国ならではの悲劇である。
今このサリドマイドを認可しようという動きがある。多発性骨髄腫の治療に有効という理由からである。
50年前、多くの奇形児を生んだ悪魔の薬が、今難病に苦しんでいる患者の福音となろうとしている。
薬害は薬の害ではなく、人災である。薬を認可したり、製造を中止したりするタイミングをとる機能がうまく作用するかどうかである。
薬が化学物質である以上、副作用は必ずあり、時として致命傷となる。
C型肝炎は、慢性の非常に進行の遅い病気である。私自身もC型肝炎の抗体を持っている。発症していないだけである。治療をしたほうがよいかとも思うのだけれど、インタフェロンの副作用が大きく、気が乗らない。また私の場合は、あまりインターフェロンの効果が少ないタイプなので、ますます病院への距離を遠くしている。C型肝炎の患者の6割が肝硬変、肝臓がんへと移行するといわれており、無視できない病気でもある。でも進行がおそい。個人差もある。
しばらくはこのままお付き合いしようと思っている。
病気や薬は医者任せではなく、自分も勉強する必要があるとつくづく思う。こちらがしっかりした知識をもっていると、対応がまったく違う。
普通の人はそうはいかないとおっしゃるかもしれない。でも病気は他人事でなく自分のことですよ。
今回のC型肝炎の薬害は、治療中に医師の判断で使用したことによる薬害である。患者は判断できないケースである。
製薬会社と医師の責任は非常に重い。不可抗力であると、自動車事故などのように胃ってはいけない。人の命を扱う仕事を選択したのだから。
とりわけ、厚生労働省の責任は大きいのだろう。
これは皆さんが共通して感じているのだから、あえて言う気にはならない。
でもサリドマイド事件のように、ひとつの薬が多くの悲劇を50年の時間を経て、今度は難病を治療しようとしている。
がから、薬害ではなく人害だとつくづく思う。
みなさんは、どうですか