古い米国のブルースに オールド レインコートという歌があり、以前淺川マキが歌っていた。歌の内容は人生の厳しさも古いレインコートがあればいい。という内容で、最後に淺川マキが
  そうさ人生甘くはないさ
そうさ人生甘くはないさ
と繰り返す。
当時12月31日池袋の文芸座ルピリエで、定期コンサートを行っており、毎年妻と出かけておりました。コンサートが終わるのは、11時ごろで、それから浅草で初詣。恒例でした。
寺山修二さんが泣くなり、追悼のコンサートを同じ場所で行っており、思いで深いコンサートでした。
 中原中也もコートがよく似合った詩人だったそうです。
枯れて生きる
生きるために枯れる

私の好きな彼の詩の一節です。

坂口安吾もコート姿写真が彼の生き様とオーバーラップします。

今日、冬のコートを出して、出かけました。コートの暖かさとその重さを本格的な冬の訪れと思いながら、バス停でバスを待っていると、思い思いのコートを着た通勤の人々が集まってきます。
それぞれの人生を背負い込んで。
淺川マキの
  そうさ人生甘くはないさ
そうさ人生甘くはないさ

中原中也の
枯れて生きる
生きるために枯れる

寄り添って私の前を通り過ぎました。
これから厳しい冬。
そして春。
妻を連れて散歩に出られるのは、来年の春でしょうか。