妻に捧ぐ

古今の偉人は、あくさいを持つ。ステータスである。
我が妻は悪妻である。
結婚以来、私は家事一切妻に任せきりでした。炊事、洗濯、掃除。合わせて、会計的なことも一切。妻の分担でした。
妻が倒れたとき、以前お話したように、洗濯することができませんでした。もちろん、ご飯も炊けませんでした。息子の指導のもとに、何とかできるようになりました。一番困ったのが、銀行関係と郵便物。マンションの近所付き合い。
倒れたのが月末、早速支払い関係で銀行がよい。貯金通帳の出し入れで、妻の苦労がわかり、本当に苦労掛けたとジーンと涙がわいてきたことを今でも思い出します。
届けている印鑑はどれなのかわからず、家中の印鑑を持って、銀行へ行き、その都度確認した覚えがあります。いずれにしろ、我が家はすべて、妻の支えでやっと運営されていたようです。
妻が倒れて、以来まる2年が過ぎようとしています。
岡山の親父や妹が、私が台所に立つ姿を始めてみたとびっくりしていました。親父は教師をしていたせいで、夏休みなど家にいる機会が多く、母親が病弱だったこともあり、家事を何でもこなせる人です。その息子は、まさに親父を反面教師として育ったようです。
またその息子は私を反面教師としているようです。
昨日、帰宅後妻と話をしていると、早くよくなって、家事ができるようになりたい。啓史さんが大変だからとポツリ。
私は、妻がよくなって、いすに座り、私のいれたお茶を飲みながら、春の日の陽だまり。そんな光景が夢です。実現したい夢です。
悪妻に倒れられ、2年間修行生活、以前の飄々とした托鉢人生を懐かしく思うこともないことはないのですが、やはり、春の陽だまりの妻との時間を実現したいと切に望んでいます。
今日は週一のリハビリテーション。土曜日は食事の訓練。
がんばってください。