今、妻は食事を口から摂取できないため、お腹から胃にチューブを入れて(PEGというそうです)、一日3回食事をします。
お腹に3mm程度のシリコンチューブの開口部があり、普段はキャップがしてあり、食事のときだけ、キャップをはずし、延長チューブをつけて、そのチューブに食事のラインをつなぎます。ケアのひとには、チューブに入ったかゆ状の食事。私は、液体状の食事を妻に上げます。
妻は、飲み込むことができにくくなっており、訓練でうまく飲み込むように慣れれば、少しずつ食事をすることができるようになります。
「喉頭の声門の下で、食道と気管に分かれています。寝ていると食道は上で気管が下になります。食べ物や水を飲み込んだとき、気管に誤って入りますと、肺炎などを起こす危険があります。これを防ぐためにエピグロテス(口頭蓋)という自動的に開閉する蓋が気管についていて、水や食事が入ってくると自動的に閉まります。誤って気管に入ったとき、我々は肺から思いっきり空気を出して気管から食道側に押し出します。むせるという現象です。」
妻の場合、飲み込めないため、のどの奥に食べたものが貯まります。この貯まった食べ物が、息をするとき、肺に入る危険性があるわけです。
夜少しずつプリンやゼリーを少しずつスプーンですくって、妻に食べてもらいます。訓練です。でもおいしそうにたべています。調子にのって、ピッチを上げると、むせます。
「啓史さん、速い」とクレーム。
スプーンですくって、妻の舌の上におき、妻がごくっと飲み込む。この単純なスローテンポな作業が夜行われます。
「早くおかゆやおかずが食べられるといいね」
うなずく妻。窓の外は満月。秋の夜。
お腹に3mm程度のシリコンチューブの開口部があり、普段はキャップがしてあり、食事のときだけ、キャップをはずし、延長チューブをつけて、そのチューブに食事のラインをつなぎます。ケアのひとには、チューブに入ったかゆ状の食事。私は、液体状の食事を妻に上げます。
妻は、飲み込むことができにくくなっており、訓練でうまく飲み込むように慣れれば、少しずつ食事をすることができるようになります。
「喉頭の声門の下で、食道と気管に分かれています。寝ていると食道は上で気管が下になります。食べ物や水を飲み込んだとき、気管に誤って入りますと、肺炎などを起こす危険があります。これを防ぐためにエピグロテス(口頭蓋)という自動的に開閉する蓋が気管についていて、水や食事が入ってくると自動的に閉まります。誤って気管に入ったとき、我々は肺から思いっきり空気を出して気管から食道側に押し出します。むせるという現象です。」
妻の場合、飲み込めないため、のどの奥に食べたものが貯まります。この貯まった食べ物が、息をするとき、肺に入る危険性があるわけです。
夜少しずつプリンやゼリーを少しずつスプーンですくって、妻に食べてもらいます。訓練です。でもおいしそうにたべています。調子にのって、ピッチを上げると、むせます。
「啓史さん、速い」とクレーム。
スプーンですくって、妻の舌の上におき、妻がごくっと飲み込む。この単純なスローテンポな作業が夜行われます。
「早くおかゆやおかずが食べられるといいね」
うなずく妻。窓の外は満月。秋の夜。