病室に見舞いにいくと、無言で唯うなずくだけ、さして気にしなかったのですが、体調がよくないのかと思い、「大丈夫」と声をかけてもやはりうなずくだけ。
「どうして、」と聞くと、「声の大きさがコントロールできなくて、病室のほかの人に迷惑がかかるからと、」。

「少し口から食事をできるようになりたいと、」妻が言う。それでは、ディケアサービスで「食べる訓練をお願いしようかというと、みんな忙しそうで悪いから、いい」と言う。

仕事柄、付き合う女性はどちらかというと、男社会でがんばっている女性が多く、人のことを意識して遠慮することより、自分の意見をドンドン言う人が多い。

こうした言葉を一言一言搾り出すように話す妻をみて、可愛いと思う。30年以上、一緒にいて、これからも一緒にいようと思うのは、こうしたことの積み重ね。
遠慮することはないよ、大声で良いからはっきり話したほうがいいよと声をかけながら、妻との面会時間は過ぎてゆきます。

仕事帰りのひと時の安らぎ。
久しぶりに浦安橋を渡って浦安まであるいてみよう。