はくちょう座(2) | tychoの星空ブログ

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自宅ベランダから気軽に星夜撮影をしています.
EOS60DaとスカイメモRSで始めましたが、機材増殖の宿命に.
tychoは月のクレター名ですが、天文学者ティコ・ブラーエにちなんでいます.
・背景:パンスターズ彗星/2013/3/21
・表題背景:オリオン大星雲・M42・M43/2013/3/6

はくちょう座(2)

1st stepでこの星座を取り上げたのは、2013/4/23でした.

もう1年半も経っているのだ、改めてしっかり観測しましょう.

晩秋は、はくちょう座が天頂から西に沈んできて「十字を切る」.クリスチャンの方は、この時期の夜空を見上げると「感慨深い」と必ずおっしゃいます.

天頂から沈んでくると観測しやすくなるの上、天の川の賑やかさも落ち着いてしんみりします.

今、観測しないとまた1年近く観測できません.

再掲は、1st stepでの解説図です.今見直すと露出不足なのでが、当時はそれでもニコニコだった^^

hakutyo  r_hakutyou

今は右側のように見えてきます.ひっくり返しただけですので文字も逆さま、失礼^^;

2nd stepですから、モザイク合成で精緻に撮りたいところですが、少し工夫を凝らしたものをupと思いきや、

cy20141024re

こと座のα星ヴェガが入ってしまってその明るいこと.0.03等星ですので同じ一等星でも、デネブ(1.25等)とは明るさが2.5倍違います.ヴェガの明るさで、処理が上手くいっておりません(^^;)

[構成する恒星の見どころ]

・α星デネブ(Deneb):全天21の1等星の1つ.白鳥の尾の部分.約1,200光年以上も離れているに明るい.

・β星アルビレオ(Albireo):白鳥の口の部分.この星は小さな望遠鏡でも見える美しい二重星.

・γ星サドル(Schedar):αデネブからγサドル付近にかけて、北の石炭袋と呼ばれる暗黒星雲で、
               新しい星の誕生が起こっている.ニュアンス出ているかな^^;

sadr ⇒  atlas

この中央に埋もれるように存在するのが、NGC6888(三日月星雲).

6888

星図を見て頂くとして、Dickel・Wendker・Bieritzの3氏がはくちょう座X領域の研究を行う上で、Hα輝線星雲の分布の詳細なものが必要とされたため番号を付けてました.DWB番号というのですが、その中でプロペラ星雲はDWB111となっております.

dwb111  dwb111プロペラ星雲

[所属する星雲・星団の見どころ]

・NGC 7000(北アメリカ星雲):散光星雲.デネブのすぐ東.名前のように、北アメリカ大陸によく似ています.

・IC5067~5070(ペリカン星雲):散光星雲.北アメリカ星雲のお隣.ペリカンに似ている.

n_america  右上の明るい星がα星デネブ,

以上は、前回も撮影しておりますが、少しは進歩したのかな^^ 星図的には、

cy

以下、チャレンジ中の星雲です.何とか撮影して続きが出来れば幸せですね^^

・M39:北アメリカ星雲の北西にある.

・IC5146まゆ星雲:さらに北.

・NGC 6992-5・NGC 6960(網状星雲):超新星残骸である.

・はくちょう座X-1:有名なX線源.この星は、ブラックホールではないかと考えられている.

追加1:

[2014/10/29撮影:NGC 6992、NGC6995]

6992tri

はくちょう座ε星の5°ほど南.東西に向かい合った半弧状の散光星雲の一方側です.写真に撮ると、網目状、ループ状の輝きが見事に写ります.フィルターワークを駆使すると青と赤が織りこまれて見事なので、望遠レンズだとフィルターが限られます.5万年ほど前に超新星が爆発した際の残骸で、今も毎秒100kmの速度で円弧状に拡がっているということです.