辻井伸行というピアニストのCDとDVDを
うちの奥さんが買ってきたので聴いた。

辻井伸行の内面を表現する手段は、ピアノに
自分の情熱を叩きつけることなのだ。

世界の情報は触覚、聴覚から入ってくる。
そこには視覚はない。

でも、脳天の外界のアンテナはものすごく開いていて、
目で見えないものを補って世界をみている。

目が見えなくても鍵盤を正確に叩ける理由は、
手の移動距離と現在位置を無意識に制御する脳の機能がものすごく発達していて
正確なのがあると思う。

ある鍵盤からある鍵盤への距離が脳に焼き付いていて、
移動したあとに(もちろん目的の鍵盤へ到達するのだが)
微妙なずれが補正されて、次の鍵盤へ到達する。

これは、絶対に目的の鍵盤へ到達する、という前提があってのことで、
このセンサーと、その内容を正確に腕、指に反映させることがすごいんだと思う。

あとは、譜面を見て覚えられないので、聴いた内容から
直接自分の演奏に反映させていく能力。

それをストーリーとして完全に記憶していく。

こういう脳の異なった使われ方にも神秘を感じますね。