「ソーシャルセクレタリーと、儀典長や儀典官の役割は具体的にどう違うのですか?」
 

ワシントンDCの外交世界の中でも、この職業の違いについてよく質問をいただいておりましたが、

拙著『世界一流の社交術』刊行後に頻繁に聞かれるようになりました😊😊 

 

 

一般には見えにくい世界だからこそ、混同されやすい職種でもあります。

そこで今回は、それぞれの役割の本質的な違いについて、改めて整理してみました。外交や国賓イベントの界隈では、私たちのような専門職を指して「彼らはまるでアヒルのようだ」と表現することがあります。拙著でもお示しした通り、水面上では優雅にスイスイと進んでいるように見えても、水面下では必死に足を動かしてもがいている。そして、その「もがき」を決して周囲に見せることはない。。。
これは、カプリシャ・マーシャル元国務省儀典長やディーシャ・ダイヤー元大統領特別補佐官兼ホワイトハウスのソーシャルセクレタリーが常に口にしていた、私たちの合言葉であり、ワシントンDCでの共通のプロフェッショナルな姿勢です。

国益がかかる重要な社交の場において、私たちは以下のような明確な役割分担のもと、密に連携しています。

1. ソーシャルセクレタリー(Social Secretary)【役割:唯一無二の「社交の総合プロデューサー」】
トップの分身として、人脈構築や外交成果を生むための「社交空間」をデザインする唯一の司令塔。ゲストリストの選定から、会話を弾ませるための戦略的な席次のプラニング、演出までを統括します。ルールを踏まえた上で、いかに主催者のファンを増やし、生きた人間関係という「成果」を出すかというソフト面を追求します。

2. 儀典長(Chief of Protocol)【役割:国家の威信を守る「意思決定の最高責任者」】
公式行事における国際礼儀(プロトコール)や秩序を統括するトップ!ソーシャルセクレタリーと連携し、国家間の序列や前例、政治的背景を鑑みながら、イベント全体の席次や公式な枠組みの最終判断を下す決定権を持ちます。
この儀典長の指揮のもと、儀典官(Protocol Officer)が複数人います。【役割:完璧な運営を支える「ロジスティクスの専門部隊」】決定権を持つ司令塔たちの指示や既定のルールに沿って、現場を確実に動かす実務部隊です。分刻みのスケジュール調整、車両手配、国旗の配置、移動ルートの確保など、一切のミスが許されないハード面(ロジ)を正確にコントロールし、公式行事の土台を支えます。


どれほど完璧なルールやロジ(儀典)があっても、そこに温かいもてなし(社交)がなければ外交の成果は生まれません。逆に、どれほど魅力的な社交があっても、安全や秩序が崩れれば外交問題に発展します。

 

だからこそ、ソーシャルセクレタリーと、儀典長率いる儀典官チームは、お互いの専門性をリスペクトし合い、強固に連携しています。誰もが見惚れるような優雅なイベントの裏側には、決して表には見せない「アヒルたちの命懸けのもがき」があるのです。🐥🐥🐥