地球温暖化、本気で取り組もうよ。 -2ページ目

地球温暖化、本気で取り組もうよ。

地球温暖化が騒がれてるけど、いったい何がどうやばいのだろう。国の人は何をしているんだろう。そんな疑問をデータ分析しながら解説できたらと思います。英語文献は適宜訳します。

 前回、京都議定書ってのがあるんだよって話までしましたね。

 じゃあ京都議定書とは何か。第1回で書いたように、一言で言うと、京都議定書とは1990年に多国間で温室効果ガスの排出量を削減することを約束した協定のことです。内容は長ったらしいんですが、主に2つのことについて約束がなされています。

 1つは、国ごとに温室効果ガスの排出削減目標の数値を設定したこと。
 「1990年と比べて排出量を○%減らす」といった削減目標数値が各国に与えられ、期限である2015年までにその目標を達成することが義務付けられました。各国の詳しい数値はささっと調べれば出てくるので、ここでは説明しませんが、先進国全体で対象のガス(CO2, CH4, N2O, HFC, PFC, SF6)5%の削減を目指すということが決められました。
 ここで、「あれ、途上国は?」、と思った方は鋭いですね。あとで、出てきます。

 2つ目は、国際的な削減に向けた仕組みの導入を目指すということ。
 今回の京都議定書は先ほど書いたように、単なる約束なんです。だから、参加するも批准させるも自由。参加しなかった国もいます(これも後ほど)。これは、2016年現在でも課題になっていますが、法的拘束力がないとなかなか世界規模で、温暖化を止めるということは難しい。だから、その仕組みの導入に向けて検討を進めていこうということも1990年の段階で決まりました。

 ここまではなんかよさそうな雰囲気ですね。

 しかし、一方で京都議定書には問題点もたくさんありました。

 1つ目の問題点は、参加が任意であったこと。決して悪いとは言いませんが、アメリカが参加してくれなかったあたり、なんか「あ(察し」という雰囲気は出ています。
 個人的には、国際連盟をつい連想してしまいました。アメリカ参加しないから他の国がまとまらない→あ・・・(察し、という流れですね、はい。
 ただ、アメリカが参加すればほかの国が機能するとかいうのは全くもって証明できるものではないので、なんともいえませんね。

 2つ目は、「途上国は?」という質問に対する答えになりますが、削減目標が先進国にのみ与えられたということ。下のグラフは、日本、アメリカ、中国のGDPの推移を表したグラフですが、



 「先進国イコール日本とアメリカ」、「途上国イコール中国」という考え方はとても偏っていますが、参考にはなるかと思ったのでこの3国に注目してこのあとも議論(?)をすすめていきたいとは思います。
 さて、このグラフを見るとやはり今と比べて中国の国力が1990年当時、まだまだ低かったことが読み取れるかと思います。実際の数値で見ると、アメリカが5978.58、日本が3103.70であるのに対し、中国は392.51USドルです。しかし、今では日本が4116.24であるのに対し、アメリカは17968.20であり、中国は11384.76USドルへと成長しています。GDP≒国の経済力≒国のエネルギー使用量と考えられますので、GDPが高いほどエネルギー使用量であったり、それによって生じるガスなどの排出量も増えます。
 「あのとき中国とかにも排出削減をお願いしていたら・・・」と思ってしまいますね。

 そして、3つ目が、個人的には一番大きな問題点だと思っている、排出量販売です。

 次回はこの排出量販売についてもう少し解説していこうと思います。では、また次回。

<画像元>
http://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=NGDPD&c1=JP&c2=US&c3=CN&s=&e=