いま伝えたい、史実に基づく物語。

 かつて、平和な海が戦場だった時代。 

帰ることを夢見ながら戦い続けた兵士たち。

その無事を祈り、待ち続けた家族たち。

 ひとつひとつの人生にはどんな物語があり、それぞれが何を思い続けていたのか。

 竹野内豊主演でおくる映画『雪風 YUKIKAZE』は、太平洋戦争の渦中から戦後、さらに現代へと繋がる激動の時代を背景に、懸命に生き抜いた人々の姿とその運命を、壮大なスケールで描きます。 「雪風」とは? タイトルとなっている「雪風」とは、太平洋戦争中に実在した一隻の駆逐艦(くちくかん)の名です。 誰もが知る「大和」や「武蔵」といった戦艦などに比べると、遥かに小型で軽量、高速で小回りの効く駆逐艦は、艦隊の前線に躍り出て魚雷戦を仕掛け、戦いの先陣を切るのが本来の役目でした。 しかし太平洋戦争では、その機動性ゆえに、戦闘及び艦隊護衛に加え、兵員や物資の輸送、上陸支援、沈没艦船の乗員救助などに駆り出され、“海軍一の働きもの”“海の何でも屋”として、数々の過酷な戦場で活躍、そして消耗し、次々と海に沈んでいきました。 主力だった甲型駆逐艦38隻のうち、激戦を生き抜き、沈むことなく終戦を迎えたのは、「雪風」ただ一隻。その戦いの中でこの艦は、敵の攻撃で海に投げ出された他艦の兵士たちを、時には敵味方関係なく救い続けました。生きて帰り、生きて還す――それが「雪風」にとって戦う意味でした。 さらに戦後は「復員船」として航海を繰り返し、外地に取り残された人々、約13,000名を日本に送り返します。200名強の乗員が、一度にその二倍三倍もの人々を救い、故郷に戻し続けた“縁の下の力持ち”「雪風」。その後も賠償艦として、連合国側に引き渡され、再び駆逐艦としての役割を果たしました。 まさに戦争の後始末を背負い続けたのです。 そして大阪万国博覧会が開かれた1970年。日本の戦後復興を見届けるように、その姿は異国の海に消えていきました。 アメリカを始めとする戦勝国からも讃えられた、伝説の“不沈艦”「雪風」。 本作はその勇姿を、史実に基づいたフィクションとして甦らせます。 竹野内豊が演じるのは、「雪風」の艦長・寺澤一利。 絶えず冷静に指示を下し、時には型破りな判断で激戦をくぐり抜けてみせるリーダーシップと、武士道を信念に携えた、いわゆる一般的な軍人像とは一線を画す、澄み切った人間性。 様々な資料を基に生み出されたオリジナルキャラクターを、見事なまでに演じ切ります。 終戦80年を迎える2025年夏、今を生きる私たちへとメッセージを運ぶ『雪風 YUKIKAZE』。 知られざる史実を基に、新たな視点で描かれる、最大級の感動大作が誕生します。

ふむふむ。