未公開作品をはじめて書籍化。

美智子上皇后もこよなく愛する

「桃紅美術」の真髄がここにある。

 

本書に収録されている作品は、

大半は桃紅氏が80歳を過ぎてからのものだ。

人生百年時代と言われるいま、

「どう老いるか」

「どう死ぬか」

「死んで何をのこすか」

は、すべての人の関心事となっている。

本書は、その問いに対する、

世界的美術家からの「答え」とも言える。

 

本書に掲載されている桃紅さんの言葉から、

ごく一部を抜粋する。

「一本の線の中に、その人の長年の修練したものや苦しんだものがこもっている」

「偶然できるものの偶然を待つ――自分以上のものを偶然に」

「自分たちのほうが優れている、自分たちのほうが一番だと思う心をなくす力はないのでしょうか」

「夢を見る人には価値があるし、見ない人にはなんの価値もない。絵というものは魔物ですよ」

「心中の『真に美しいもの』は、いつも逃げ水のように、少し彼方から私を招いている」