まで
中村主水は姑のせん、嫁のりつと猿若町へ出かけた。初夏のお江戸は初下りの上方人形浄瑠璃の此竹朝之助等の評判で持ちきり、今日はその乗り込み、番附配りが中村座前で行われるのだ。この平和な日常の中で、身元不明の屍骸があちこちで見つかる。どうも仕事人らしいと思われるその屍骸の口には三途の川の渡し賃、六文銭が……。
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中村主水は姑のせん、嫁のりつと猿若町へ出かけた。初夏のお江戸は初下りの上方人形浄瑠璃の此竹朝之助等の評判で持ちきり、今日はその乗り込み、番附配りが中村座前で行われるのだ。この平和な日常の中で、身元不明の屍骸があちこちで見つかる。どうも仕事人らしいと思われるその屍骸の口には三途の川の渡し賃、六文銭が……。