「あなたにこの物語の犯人はわからない」―― 中山七里

 

仙台市の保健福祉事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。

三雲は公私ともに人格者として知られ、怨恨が理由とは考えにくい。

一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。

三雲の死体発見からさかのぼること数日、一人の模範囚が出所していた。

男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か。

なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか? 誰が被害者で、誰が加害者なのか。

本当に“護られるべき者"とは誰なのか

怒り、哀しみ、憤り、葛藤、正義……

万般の思いが交錯した先に導き出される切なすぎる真実――。

 

おそるべし「闇の怒り、哀しみ、憤り、葛藤、正義の力」