おーい雲よ……

あの日の雲じゃないだろうけど、

あの日の私でもないんだよ。

あれから……しっかり生きてきたんだよ(母・順子の日記より)

 

未曽有の大震災の中、

被災した一軒一軒それぞれの苦しみや悲しみを伝えられないかと、

武澤忠ディレクターが、

被災した福島県の実家の母を

1年間追い続けたドキュメンタリー

『リアル×ワールド ディレクター被災地へ帰る 母と僕の震災365日』(番組審議委員会推薦作品)。

 

中でも反響を呼んだのが、

誰に見せるともなく綴られた78歳の母の日記だった。

 

最愛の夫に先立たれ、津波で家も半壊……

絶望の中「本音」を綴ったその日記には、

決してカメラの前では語られないような

様々な苦悩・葛藤・不安・悲哀が満ちていた。

 

「被災地に生きる」とはどういうことなのか……

いや、そもそも「生きる」とは?……

等身大に語られたその想いは、

やがて逞しい再生への決意へと変わっていく。

 

78歳を揺り動かした強烈な想いとは何だったのか?

被災したからこそ気づいた「大切なもの」とは?

番組の舞台裏を赤裸々に綴った忠の取材日記を織り交ぜて、被災家族の1年間の軌跡をたどる。

 

これは単なる「震災の記録」ではない。

震災でも壊れなかった「家族の絆」の物語。

 

 

「これこそ北国の日本の母」徳光和夫

 

「母の愛の深さは海をも包み込んでしまう」草野仁

 

「何度も涙があふれました」尾木直樹(尾木ママ)

 

「涙と一緒に元気をもらいました」眞鍋かをり

 

東日本大震災から6年――。

今年3月、日本テレビ「スッキリ!!」で大反響を呼んだ「生きてやろうじゃないの! 母と息子の震災日記」(小社刊・現在11刷)の著者の続編で、武澤順子さんが6年間にわたって書き溜めていた日記と言葉を、息子で日本テレビディレクターの武澤忠さんが一冊の詩集としてまとめたものが本書です。福島県相馬市在住で、現在84歳の主婦 武澤順子さんは夫を亡くして間もなく震災に遭って家まで津波で被災した。容赦ない試練が続くものの「人生で大切なのは今までではなくこれから……」と希望を見出し、明日に向かって生き抜く決心をした武澤さんの心情を綴った詩集。

この詩集の一篇、一篇に逞しく生きる姿が見事に活写され、背中を押してくれる言葉、一つひとつに、新たな感動を勇気を与えてくれる。