「そこには、歴史に埋もれた、涙なしには語れない感動のドラマがあった−。」
「ふむふむ」
現代→1821年〈初の日本地図完成〉→1818年〈伊能忠敬亡くなる〉!? 千葉県香取市役所では、観光促進として地元を盛り上げるために、 “大河ドラマ”の開発プロジェクトが立ち上がる。
主人公は伊能忠敬! そう、あの初めて日本地図を作ったことで有名な、郷土の偉人である。
しかし、その脚本作りの最中に、彼らはある驚くべき事実を発見してしまう。
なんと伊能忠敬は、地図完成の3年前に亡くなっていたのだ! 「伊能忠敬はドラマにならない。
地図を完成させてないんだ!」 「え、じゃあ、誰が?」 舞台は江戸の下町へ――。
弟子たちに見守られ、伊能忠敬は日本地図の完成を見ることなく亡くなった。 動かぬ師をすすり泣く声が覆う中、ある人物が静かに口を開く。
「では、今しばらく先生には、生きていていただきましょうか・・・」
忠敬の志を継いで地図を完成させるために、 弟子たちによる一世一代の隠密作戦が動き出す。