4月11日、渋谷公会堂で行われた「寿 美菜子 3rd Live Tour 2015 “Tick Tick Tick”」に参加してきました。


今回は2ndアルバム「Tick」を引っさげて行われるツアー。寿 美菜子と言えば“寿ロック”という印象が強いのだが、この「Tick」というアルバムが様々なジャンルの楽曲に挑戦した意欲的な作品だったこともあり、今までの彼女のライブとはどういうところで変化が見られるのか、というところに関心があった。


まずライブの感想を言ってしまうと、「予想外であり、想像以上であり、意外性に富んでいて、その全てにおいて満足できる」というとても素晴らしいライブだった。


あまりの楽しさにテンションが上がってしまった私は、ライブ直後の興奮冷めやらぬ状態で思わず「(3月に代々木で行われた)スフィアのベストライブより楽しかった!」などと口走る始末。
しかし一夜明けて冷静に考えると、これはまあ、今までの集大成的な単発ライブと、ニューアルバムの発売を受けてのライブツアーとを比べるのはいかがなものかと思ったりもするのだが(日和った)、それに肩を並べるくらい満足度の高いパフォーマンスをツアー初日に披露してしまった彼女を、ただただ賞賛するしかないのである。


さて、まずは先程の感想で言うところの「予想外」という部分だが、これはセットリストにおいて顕著だ。ライブ中に何度「ちょっと休ませて!(※バラードやミディアムテンポな曲で体力を回復させて!の意)」と思ったことか。次回、次々回はZeppでのオールスタンディングということなので、これはもう参加される方々は腹を括るしかないでしょうなぁ。だってあなた、こんなセットリストですよ?


01. FLY @WAY
02. STRIDE
03. girly highester!
04. プリズム
05. Believe ×
06. black hole
07. ウレイボシ
08. ミュージックスター
09. i wanna be my precious one
10. Shiny+
11. MAGNETICA
12. 小さな手紙
13. pretty fever ~ Bubblicious ~ カラフルダイアリー ~ Like a super woman(メドレー)
14. Another Wonderland
15. ココロスカイ

EN01. HAPPY HAPPY LIFE
EN02. Startline



いかがだろうか、この攻めの姿勢。よもやこんなにアグレッシブなセットリストで臨んでくるとは思わなかった。はっきり言って休む暇なんかほぼないですからね?せいぜいがMCの時と「MAGNETICA」、「小さな手紙」、「HAPPY HAPPY LIFE」くらいなもんです。


いつもであればここでライブ中に印象に残ったところをいくつかかいつまんで箇条書きにするのだが、今回のライブは注目するところが多すぎて、可能ならばこの日、この会場で起こった出来事を逐一書き上げたい。しかしそれは無理なのでほんの一部ではあるけれど振り返ってみましょう。


・2ndツアーでは本編ラストを飾った「girly highester!」が早くも3曲目に登場。この曲が始まったらどうしてもキーボードの籠島さんに目がいってしまう。立ち上がって必死に鍵盤を叩く姿は必見。そう、必見と言えば曲中に美菜子と観客が交互に掛け合いをするパート(※絶好調で~から、尋常じゃないすごいやつあげよっか?まで)で、最後の「Thank you!」と同時に投げキッスをする姿も必見。


・「girly highester!」で最後に「wow wow wow…」と喉を枯らせた次に持ってきたのが「プリズム」という、こちらの喉を更に酷使させる2 hit comboで声帯が早くもイエローゲージに。


・中盤戦に差し掛かる6曲目には先日発売されたばかりの新曲「black hole」を初披露。うむ、意外と言えば意外な順番ではあるけれど、5曲目の「Believe x」が終わってMCを挟み、その中で新曲に触れてからの歌唱であったために流れとしては悪くなかった。ただ、せっかくの新曲をこのタイミングで歌ってしまうとライブ後にあまり印象に残らず勿体ないという気がしないでもない。


・7曲目の「ウレイボシ」も終わりに近づき曲のアウトロが流れるなか、ステージ前方で観客を煽る美菜子。その後ろで運び込まれる1台のキーボード。
「ああ、次で弾き語りか(一息つける)」と思ったのも束の間、曲が終わるやいなやキーボードの前に立ち、そのまま「ミュージックスター」の前奏をゆっくりと弾き始める…マジでっ!?
弾き語り自体はあるかもなと思っていたけどまさか「ミュージックスター」とは予想外。しかもピアノソロまでしっかりと演奏しきった姿に「けいおん!!」のライブイベント「Come with Me!!」での「Honey sweet tea time」が脳裏によぎってしまった。


・10曲目の「Shiny+」は、やってくれましたね。楽曲のアレンジという意味でも、パフォーマンスという意味でも。
前回のツアーでは「Startline」が大胆なアレンジでダンスミュージックと化してましたが、今回は「Shiny+」が“EDM version”とでも言いますか、装いも新たにチューンナップ。
「Shiny+」や「Startline」といった彼女のライブでは何度となく歌ってきた鉄板で盛り上がる楽曲たちを、敢えてこうやってアレンジしてくる姿勢は、個人的には非常に評価できるところ。ライブ前の予想では、楽曲はさておきHR寄りにアレンジしたら面白いな、とか思ってましたけどさすがになかったな…
しかし、「Shiny+」の攻勢はまだ終わらない。間奏時にいったん後ろへはけた美菜子がダンサー2人と再登場したとき、その両手にはフラッグが!なるほど、9曲目からヘッドセットに切り替わってたのはこのためか!
ここから3人揃ってフラッグを振りつつ歌うというパフォーマンスで、これがなかなか迫力のある見事なフラッグ捌き。まさかこの曲がこんな形になろうとは、意外すぎて予想だにできず、想像の埒外もいいとこですわ。それにしてもかっこよかった。


・11曲目の「MAGNETICA」は、何と言いますか。「ライブ見てください!」が1番適切なんじゃないかと思うんですけどね…

この曲に関しては色々な人が発言してますし、それだけインパクトがあった訳で、それは勿論ある一面においては正しい評価だと思うし異論はないのだけど…

いや、確かに「エロい」。大好きだ。否定はしない。しかしそれだけではない。

ステージから醸し出される雰囲気や照明の演出、ダンサーも含めて3人で踊る妖艶なダンス。小道具のイスも効果的だった。そのうち天井からポールが降りてくるんじゃないかと思った。
両肩が露わになった、ボディラインを強調するような衣装、薄暗くなったステージに浮かび上がる白いふとももが扇情的なパンツスタイルとブーツ。
唯一残念だったのは、私の席からでは美菜子の表情が判然としないのだが、恐らく色っぽいような、艶っぽいような表情をしていたことだろう…

しかし、だがしかし。そんな魅惑的なステージを目にしながらも、なぜか私の思考の3割くらいは別のところへ行ってしまうのだ。だってそうでしょう。こちとら彼女が高校生の頃から成長を追い続けているようなものだ。それがどうです。23歳になった今、こんな立派なアーティストとして表現の幅を広げていたのだ。ああ、サナギはいつの間にこんな艶やかな羽を持つ蝶になったのだろう…

などと妄言を垂れ流しましたが、つまるところ早く映像化しなさいってこった。


・「pretty fever」から「Like a super woman」まではメドレーなんだけど、「pretty fever」以外は全部歌ってたような…?ちょっと記憶が曖昧ですが。それが何を意味するかと言うと、言わずもがな4 hit comboがクリーンヒットな訳で、こちらの体力がレッドゲージ突入してピヨピヨなのです。
しかしなぜ、どうして「pretty fever」だけカットされたのか…(涙目)


・今回1、2を争うくらいに予想外な楽曲となったのは「Another Wonderland」だろうか。CDで聴いてる時はなんとなく、ライブでも聴き入るようなスタンスになるのかな?でもサビは割とノリのいい感じだけどどうなるだろうと思ってたのだだけど、実際はこれでもかってくらいの縦ノリ曲でした。いやー、美菜子が煽る煽る。こんな終盤で更にたたみかけてくるなんてどういう構成だよと嬉しい悲鳴。そして本当に悲鳴を上げる身体。


・前回のツアーでオープニングを飾った「ココロスカイ」で本編は〆。なんか感想を書くために昨日のことを思い出してるだけで疲れてきた。


・アンコール1曲目の「HAPPY HAPPY LIFE」ではこの日何度目だろうという予想外な展開が。
2番を歌い終わったあと、なんとこの日のためだけのオリジナル歌詞で3番、4番と歌い続けたのには会場から大歓声。観客がクラップし、籠島さんがピアニカを演奏し、美菜子もカズーを吹き鳴らすという、なんとも牧歌的な雰囲気さえ漂う空間になったのは良かったなぁ。


・そして大トリを飾ったのは久しぶりに披露されたオリジナルの「Startline」でした。名曲。



さてさて、なんやかんやと書き連ねて参りましたが、概ねこんな感じです。しかし当たり前ですが実際のステージの魅力はこんなもんじゃなく、こればっかりは自身の目で見て、耳で聴いて、肌で感じてもらうしかない訳で。
特に今回は今までスフィアや各個人のソロライブに参加してきた常連さんには最も単純で、そして最も意外なボーカルとバンドメンバーの共演が見られるのだ。これが見られただけで、ちょっと感動してしまった。


最後に、アンコールで美菜子が再登場してバンドメンバーを1人ずつ呼び込む際に「前回のツアーから1年経ったことで変わったこと」というのを質問していったのだけど、彼女自身はそのことについて特に発言はしなかったけど、この1年でパフォーマーとしての成長した姿をこの日、まざまざと見せつけてくれた。ここまでくると、何とも現状の「寿 美菜子」の過小評価にジレンマを感じてしまう。ファンの欲目と言われればそれまでだけど、もっと評価されてもいいと思うんだよなー。

ともかく、ツアーは残り3回。全部行く人は正しい。その幸せを堪能するがいい。
今回のツアーに1度も参加できない人は、今からでも遅くない。あらゆる手段を講じてでも1度は参加するべきだ。
そして今後どこかで初めて参加できる人。今、最も約束された幸せに近い位置にいることを噛み締めて来るべきその日に備え、期待に胸を膨らませるがいい。その期待は裏切られることがないことは明白なのだから。