数日後、私は正装して昌昭さん、昌昭さんの両親と宗家に向かいました。
昌昭さんもご両親もいつになく緊張感が漂っていました。
私が不思議に思って、昌昭さんのお母様に聞いてみました。
すると、昌昭さんのお母様は驚いていました。
昌昭から話を聞いていないのかい?
これから会う方は、一族でも別格の偉いさんなんだよ。
宗家のお母様で、宗家も頭の上がらない唯一無二の方なんだよ。
あの方はめったに姿を表さないし、食事も家族以外とは正月にしか食べない方なんだよ。
有記ちゃんなら、大丈夫だと思うけど、聞かれた事以外は答えないでね。
自分から発言はしないでね。
その他、諸々の注意を受けました。
やがて宗家に着きました。政宗さんが迎えてくれました。
お婆様がお待ちかねだぞ昌昭。
取り敢えず、いつもの部屋に居てくれ。
私達は分家の控え室に入りました。
分家よ、母上は楽しみにしているようだ。
宗家はそう言いました。
先に分家夫婦だけで入ってくれ。
昌昭さんの両親だけで先に入りました。
政宗さんと三人で雑談をしていました。
一時間くらいして、お二人が疲れた顔して出て来ました。
昌昭、有記さん、お待ちかねだよ。
いよいよその時が来ました。