そろそろ結納の事を考えようね。
ある日昌昭さんが私に言いました。
私もその事を考えていました。
でも、今のままでも充分幸せですが同じ苗字になりたい気持ちも有りました。
では、段取りをしよう。
昌昭さんは、政宗さんに電話をかけて会話していましたが、いつになく長い電話でした。
電話をかけ終えてから、昌昭さんが真剣な顔をしていました。
有記、結婚する前に会わなければならない方がいるんだよ。
宗家のお母様で、お祖父様の双子の妹なんだよ。
一族の重鎮で、あの方に好かれないと将来が怖いし、ご挨拶は欠かせないんだよ。
政宗さんがスケジュールを聞いてくれるから、その日には正装で行かないといけないんだよ。
めったに会えない方だから、私も緊張するんだ。
政宗さんも同じ敷地に居ながらめったに会えないんだよ。
私は、どんな方なのか興味津々でした。