今回の政宗さんは、いつになくスピードを出しています。
四人乗せて走る時は、余り飛ばさないのに珍しいと思っていました。
舘山寺のホテルに着いて、理由が分かりました。
車の後ろ側に、水槽を積んでありました。
その中には、金目鯛が沢山入っていました。
しかも、まだ生きていて鮮度も最高です。
ホテルの従業員が台車を持って降ろしに来ました。
板前さんと支配人が来ました。
政宗さんが、支配人に20本の山葵を渡しました。
親父からの頼まれ物は渡したぞ。
今日は、いつもの部屋ではなくて別館のコテージを2つなんだろ?
政宗さんは、このホテルのスィートルームが好きでしたから文句を言っていました。
宗家の若と分家の若、コテージはできたばかりですよ。
まだ、誰も泊まっていないから、初めてのお客様ですよ。
しかも、コテージの中には露天風呂もありますし、浜名湖を一望できますよ。
政宗さんは、渋々納得したようでした。
夕食は、スペシャル料理をお出ししますから、それまでコテージで寛いで下さい。
私達はコテージに入りました。
政宗さん達のコテージとは少し離れた場所にありました。
有記、疲れてないか?
そう言いながら昌昭さんは、私を抱き締めてキスして来ました。
私も実はキスしたい気分でした。
これで今夜、鰻でも出されたら、有記と何回やるか分からないな。
そんな話をしていたら、携帯で政宗さんに呼ばれて、私達は、政宗さんのコテージに行きました。
政宗さんと昌昭さんは、明日の打ち合わせをしていました。
私達女2人は、浜名湖まで行ってみました。
優美さんは、女の私が見ても憧れる美しい女性です。しかも、優しいて思いやりのある女性です。
昌昭さんよりも、政宗さんの家の方が大きい家だし、人付き合いも大変だと言う話をしてくれました。
来年は結婚するつもりで、9月に結納の予定だと言ってました。
私は、その一年後だな。
心の中で思いました。
今日の有記さんは、肌の艶が良いわね、昌昭さんに愛されているわね。
私は照れて赤くなりましたが、負けずに言い返しました。
優美さんこそ、肌の艶が良いじゃありませんか?
週に何日愛されているんですか?
たった3日よ、有記さんは何日なの?
私も同じですよ。
それから、女2人で下ネタトークをしていたら、政宗さんと昌昭さんが来ました。
お前ら顔が赤いぞ、下ネタでもしていたのか?
政宗さんが冗談半分の口調で聞いて来ました。
いきなり優美さんを抱き締めて、キスして、こういう事をしたいと思っていたのか?
腕白坊主ね。
優美さんが、政宗さんの頭を軽く叩きました。
昌昭さんもキスしてくるかと期待していましたが、この場面ではしませんでした。
暫く四人で海岸を散歩してからコテージに戻りました。