私がまだ、大手総合商社のガソリンスタンドにいた時の話です。
東京の本社に、私は呼ばれました。
支社長と一緒に新幹線で東京に行きました。
偉いさんと一緒だと待遇面が違いました。
指定席に座れたし、東京駅には、迎えが来ていました。
私と支社長は仲が良くて、たまにスタンドに来ると食事をご馳走になりました。今度、新規ガソリンスタンドの店長に内定して、本社に計画書を持って行きました。
スタンド部門のトップと人事部長が待っていました。お二方は、本社研修で会っていますから顔見知りでした。
ガソリンスタンドを一つ作るのには、億単位の出費です。
交通量や立地条件、その他諸々の話し合いをしました。
昼御飯を食べて、また会議になりました。
二回ほど休憩を挟んで、会議が終わったのは、9時くらいでした。
私と支社長は、最終の新幹線の指定席の切符を持っていました。
支社長が時間まで軽く飲むか?
私も行こう。
人事部長も来て、三人で飲みに行きました。
松田支社長と久保田人事部長は同期生でした。
この2人は現場を体験しているから話が早いです。
真田の奥さんは美女だけど、それ以上の美女のいる店に連れて行ってやるよ。
松田支社長が言いました。大久保人事部長が、銀座の飲み方を教えてやるぞ。
そう言って先頭を歩いて行きました。
本社から五分くらい歩いたら、一軒の店に入りました。
ボーイが出て来て、久保田人事部長と会話してから、奥の席に案内されました。その日は、暇らしくて空席が目立ちました。
私が、松田支社長に、何か場違いな所で緊張しますよ。
真田は、銀座で飲むのは初めてか?
東京で飲む事じたいが初めてです。
そんな会話をしていたら、ママらしき人が現れました。
久保田様、お久しぶりね。貴方が来ないと寂しいわよ。
素敵な女性です。
品があり、会話も上手いし持ち上げ上手でした。
さらに、サエとリエと言う女の子が来ました。
一対一で飲んでいました。私は、リエと言う女の子と会話していました。
いろいろ会話していたら、時間になりました。
松田支社長は、盛り上がっていました。
真田、私はこちらに泊まるから、お前はタクシー呼んで帰れ。
そう言って一万くれました。
タクシーを呼んで貰いました。
タクシーが来たら、リエが見送りに来ました。
ママが駅まで送って来なさいと言われたの。
一緒に東京駅まで行きました。
真田さん、また来てね。
首筋にキスマークをつけられました。
私は鏡を見ました。
後ろに写るはずのリエが写りません。
生きてる時に真田さんには会いたかったわ。
リエは、数日前に男に騙されて店の控え室で服毒自殺していました。
馴染みの久保田人事部長が来たから化けて出ました。リエを騙した犯人は久保田人事部長でした。
2日後に、急死したと聞きましたがそれ以上の事は支社長も教えてくれませんでした。
私の方も、その夜は大変でした。
三島駅に有記が迎えに来ました。
この時点で、女の香水の匂いがする。
そう言って不機嫌でした。さらに、お風呂で首筋にキスマークをみつけたから激怒しました。
昌昭さんの浮気者。
私と言う者がありながら浮気して。
泣いて怒りましたが、私は冷静に対処しました。
飲み屋の女にキスマークをつけられたくらいでおこるなよ。
私の分身はこんなに元気だぞ。
ここ数日間は、忙しくて、夜の営みがありませんでしたから、有記のストレスも貯まっていました。
こんなに元気な分身をみせられたら、有記も浮気をしていないと分かりました。すると態度が一変しました。
昌昭さん、ごめんなさい。疑ったりして悪かったです。
ベッドに入っても、甘えん坊モード全開でした。
自分からフレンチキスをしてきたり、丁寧に分身を扱ってカルピスを飲んだりと忙しく動いていました。
最後は、自分が上になって絶頂に達していました。
有記にリエが取りついていました。
リエ、もう有記から退散しろよ。
満足させてやっただろ?
やはり見抜いていたんだね。
こんな綺麗な奥さんいたら勝てなかったね。
私が取りついていたのを知っていたのに愛してくれてありがとう。
そう言ってリエの霊は消えました。