初夏の怪談

つい先日の事です。
私は信光さんと用事で関西の方に会って帰って来ました。
信光さんと慶子さんの結婚には、この方の許しを頂きたいから、私と2人で行きました。
昼間は時間に追われて、ガソリンを入れている暇が有りませんでした。
夜中にセルフのガソリンスタンドを見つけて給油しました。
なんとなく嫌な感じがしましたが、コーヒーを買いに中の自動販売機に行きました。
その前に、人の気配を感じましたが面倒くさいから無視しました。
昌昭、いるな。
三人でしょ？
私達はコーヒーを買おうとして、お金を入れたらボタンを押す前にコーヒーが出て来ました。
同じ事を二度繰り返しました。
私達が怖がらないから、霊がムキになったようでした。
スタンド中の電気が一度消えました。
直ぐに非常電源が作動しました。
一丁前に呪いをかけて来たな。
信光さんが車の中で呪文を唱えました。
ギャー 物凄い鳴き声がしたと思ったら、ガソリンスタンドの天井から猫が落ちて来ました。
大きい三毛猫でした。
犯人はこいつか。
血を吐いて死んでいました。
死者の血肉を食らって百年生きた化け猫だろうよ。
人間を脅かして喜んでいたんだろうが、まさか呪い返しをされるとは思っていなかっただろうよ。
近くにごみ小屋があったからそこに置いて去りました。
信光さんが一緒で助かりました。
人が大量に死んだ場所にはありがちな話です。
関西大地震で被害が大きかった場所での出来事でした。
猫は、化けるから侮れませんよ。