呪いの怖さ

呪いは、誰も幸せにはしません。
呪いをかける方は、鬼になり、かけられた方は死に至ります。
ある所に、美女が2人いました。
お互いに、相手を意識していました。
あいつだけには、どんな事でも負けたくないと、お互いに思っていました。
1人に彼氏が出来ました。誇らしげにデートをしている姿を見て、もう1人の美女は、ジェラシーに燃え上がりました。
あの女から、この男を取ってやる。
男としては、2人の美女に言い寄られて悪い気はしません。
どちらにも良い顔をしていました。
しかし、女同士は違います。
あいつにだけは負けたくないし、男は資産家の息子だから玉の輿に乗りたい。
お互いにそう思っていました。
あいつが死ねば良いんだ。2人は同じ答えに至りました。
そして、毎夜神社に行って呪いの藁人形に五寸釘を打っていました。
呪いの藁人形は、人に見られては、効果がありません。
人から鬼になってしまった2人は、顔付きが変わってしまいました。
流石に男も怖くなって、2人には会わなくなり、べつの女性と交際を始めました。
美女2人は、お互いに相手のせいだと思い込んでいました。
最後は訪れました。
お互いに、満願成就の日に相手が死にました。
違う神社で、美女と噂された女性が白装束で死んでいました。
しかし、2人の死に顔は笑顔でした。
あいつは殺した。
そう思っての笑顔でしょうね。
呪いの藁人形は、簡単には出来ません。
藁人形の大きさ、装束、化粧、蝋燭のたて方まで、やり方には規則があります。日数、時間帯まで決まっています。
これらをやり遂げるには、余程の執着心がなければ出来ません。
その執着心を他に活かせば幸せな人生を送れただろうに残念です。
親は、泣いても泣ききれないでしょう。