もうじき、昌昭さんが現場に戻りますから、営業でうちの会社に来ました。
昌昭さんは、今は社外取締役の肩書きもあるから、応接室に通されました。
社長も気を利かせて、私にコーヒーを持ってくるように内線が入りました。
社長と昌昭さんのコーヒーと菓子を持って行きました。
そうしたら、昌昭さんが秘書課の望と談笑していました。
望の男癖の悪さは社内でも有名です。
有記、有り難う。
そう言って、昌昭さんは持って来たコーヒーを飲み始めました。
望は、お菓子はもっと良い物がありますよ。
私に対して喧嘩を売って来ました。
昌昭さんが帰った後、望はわざわざ私のところに来ました。
貴方の彼氏は、貴方よりも私の方がお似合いよ。
私が貰うわよ。
ふざけないで、あんたみたいな尻軽が、あの家の嫁にはなれないわよ。
思わず怒鳴ってしまいました。
社内は、水を打ったように静かになりました。