珍しく昌昭さんが、ゴロゴロしていました。
私の膝枕で昼寝していました。
珍しいね、昌昭さんがこんなにぐったりするなんて。東京での一週間は本当に疲れたんだよ。
こんなに緊張感の続いたのは初めてなんだよ。
しかも、昇進試験の難しい学科も有ったから、疲れたんだよ。
全国の支店から、受験に来るけど、昇進出来る人数は少ないから、競争率は高いんだよ。
発表の前の晩に、懇親会があって、皆で本社の近くの泊まっているホテルのレストランで飲み食いしたんだけど、実はこれもテストだったんだよ。
私は、支店長から聞いていたから、飲んで醜態を曝す真似はしなかったけど、東北から来た女の子が酒に飲まれてクダを巻いて私に絡んで来たから、女好きの噂がある専務の所に連れて行って、専務に押し付けたんだよ。
その女の子は、結構可愛い女の子だったから、専務は表向きは、怒りながらも満更でも無い顔していたんだ。
次の日、昇進試験の発表で、私は主任から副所長に昇格したんだけど、支店長によると、専務の計らいで昇格したらしいんだ。
点数は、ボーダーラインで、前夜の飲み会での態度が良かったと評価されたんだよ。
良かったわね、昌昭さん。でも、東北の女の子は可愛かったの?
私が拗ねてみせました。
すると、昌昭さんは膝枕から起き上がって、私を抱きしめました。
有記以上の女性はいないよ。
夜が寂しいと思ったのは、久しぶりだよ。
私も寂しかったのよ、昌昭さん。
そう言って、私からキスしました。
私が、昌昭さんを押し倒して、その上に重なりました。
もう離れないんだから。
私も有記を離さないよ。
結局、この日は家から一歩も出ないでいました。