昌昭さんの御祖母さんが危篤だと連絡が入りました。昌昭さんは、有給を申請して急いで伊豆に帰る事になりました。
私も昌昭さんの奥さんの待遇で、同行する事になりました。
会社は、最初は良い顔しませんでしたが、昌昭さんが社長に電話をしたら、あっさり有給が一週間でました。
昌昭さんは、会社から本社に長い間電話していました。
明日から私の代役が来ます。
出来たら、社長の家に下宿させてやって下さい。
では急ぎますから失礼します。
昌昭さんは、家に帰って来て、急いで支度しました。私も、喪服を出して用意しました。
山中湖まで、ノーストップで行くよ。
昌昭さんは、スポーツカーに荷物を積むと急いで中央道を走りました。
御祖母さんは、95歳だから認知症が酷くて、家族も解らない状態だったんだよ。山中湖で、車を停めてファミレスで食事を摂りました。
車から、携帯で家に電話したら、今夜が峠で皆病院にいるとの事でした。
あと、2、3時間で病院に着くよ。
食後に濃厚なキスをしました。
暫くキスも出来ないかもしれないな。
有給のおかげで、元気が出たから頑張るよ。
私は、口移しでユンケルを昌昭さんに飲ませました。私達が病院に着いて、一時間後に御祖母さんは亡くなりました。
私を見て、昌昭と仲良くしてね。
とても穏やかな顔で言われました。
そして、これが最後の言葉でした。
昌昭さんのお母様が言いました、昌昭はお祖母ちゃん子だったから、曾孫が見たいと言っていたんだよ。
でも最後にお祖母ちゃんに会えて良かったね、有記ちゃん。
そう言われて、涙が出てきました。