男性が拘る物は幾つかありますが、車もその1つと言えるでしょう。
世界中を見渡しても、自分の車を手洗い洗車して、手掛けワックスを掛けるのは日本人独特の文化だし、車に対する愛着よりも執着になっていますね。
私や、政宗さんの車好きはその関係の人には知られていて、たまに出物を買わないか?
そう言った話が来ます。
ただ、車は前のオーナーが解らないと怖いから、ちゃんとした店を通さない車には乗りません。
数年前、イタリアのスポーツカーが、破格の値段で売りに出ていて、私にも話は来ましたが、私は体調を崩していて、左足の感覚が麻痺していたから買いませんでした。
利光が買いました。
やつは、喜んで乗り回していました。
入院している私に、自慢気に見せに来ましたが、私は車を見て、買わなくて良かったと思いました。
上手くごまかしてあるけど事故車でした。
さらに、事故で死んだ女性の霊が助手席に張り付いていました。
男性は植物人間になってまだ生きていると、後で分かりました。
杖をついて、車を見てから利光に聞きました。
お前、車のお祓いをしたのか?
まだしていませんよ。
明後日予約してありますけど、それ以前は予約が一杯だと言われています。
それがどうかしましたか?私の顔色が悪くなったから心配して聞いて来ましたが、私は本当の事を教えないで、部屋にあった浄めの塩を利光のポケットに入れてやりました。
止せば良いのに、利光は箱根に走りに行きました。
案の定、事故りました。
ブレーキがフェードしての事故だと警察などが判断したようですが、それだけではないでしょう。
利光は、あばら骨を四本折りましたが、命は助かりました。
車は、売った店が買い取りました。
残金を帳消しにする事で、手を打ちました。
その車は、今でも走っていました。
大黒埠頭サービスエリアで偶然見かけました。
オールペンしてありましたが、助手席に張り付いている霊は、ますます強くなっていました。
車は、三年の間に、オーナーを数人死に追いやり、ナンバーも伊豆から湘南、練馬と変わって行きました。確かに、名車ですが、時代が変わりました。
それでもマニアは乗るでしょう。
美しいボディには、何人も魅せられ、そして命を落としています。
お祓いをしても、一度では落とせないでしょう。
それくらいの悪霊が住み憑いてしまいましたね。
念が籠る物には、霊が憑きます。
車だけでは有りません。
家や楽器、さらには城にも念は籠ります。
服でも、高価なヴィンテージはご用心をして下さい。