私達が車に乗ると、政宗さんがシートを回転させて、向かい合いにしました。
テーブルを出して、物を置きました。
昌昭、お前には勿体ないくらいの美女を射止めたな。優美や慶子に劣らない美女じゃないか?
政宗さんの彼女は、ミスコン荒らしと言われた美女で、慶子さんはその妹でした。
私は偶然に、こんな美女を手にいれましたけど、政宗さんのように、ガソリンスタンドに来た客をナンパする根性はないですよ。
昌昭さんが反論しましたが、優美さんが言いました。違うわよ。
最初に声かけたのは、私なのよ。
変なヤンキーに絡まれていたところを助けてもらったうえに、食事をご馳走してもらって、家まで送ってもらったのがきっかけなのよ。
そう言ったなれ初めの話をしながら、私は徐々に雰囲気に馴染んでいきました。車は、国道1号線を東京方面に向かっていきました。箱根新道の料金所の手前でトイレ休憩を取りました。男連中はトイレに向かいました。
私達もトイレに行きました。
この時に、昌昭さんに言われていた事を実行しました。
ご挨拶が出来なくてすいませんでした。
私は、有記と言います。
これから宜しくお願いいたします。
優美さんに挨拶しました。優美さんは笑顔で、堅苦しい挨拶は無しで行きましょう。
お互いに、結婚すれば身内になるし、宗家と分家筆頭ですから仲良くしましょうね。
慶子さんも、私も宜しくお願いいたしますね、有記さん。
車に戻ると、政宗さんと昌昭さんがお酒を出していました。
信光は今日は運転手だからダメだけど、あとの人間は身清めの御神酒を少しづつ飲んでおこう。
先に鶴ヶ丘八幡宮に行くから、これをゆっくり飲んでくれ。
紙コップには、久保田の萬寿が入っていました。
私以外の人達は、直ぐに飲み干しました。
有記、無理ならよこせ。
昌昭さんがそう言ってくれたから、コップを交換しました。
昌昭さんは、私の分を飲んでくれました。
何だ、分家の奥さんは酒が弱いのか?
下戸なら仕方無いが、昌昭が直ぐに助け船を出すとは余程大切にしているな。
政宗さんが絡んできました。
政宗さん、不粋ですよ。
酔い醒ましをしましょう。優美さんは、スポーツドリンクを口移しで政宗さんに飲ませました。
私も真似をしようと思ったら、昌昭さんはスポーツドリンクを口に入れて、私に口移しするスタンバイをしていました。
少し、アルコールが混じったスポーツドリンクは美味しかったです。
政宗さんは、優美さんの膝枕に横になり、昌昭さんは私を抱き抱える状態で会話を始めました。
あの事件以来の鎌倉だから正直、気が重いな。
数年前、政宗さんは鎌倉の心霊スポットで肝試しをやった時に、大量の悪霊に囲まれて、数人が精神異常をきたした事件がありました。
昌昭さんから、昨夜車の中でその話を聞きましたが、背筋が凍りました。
鶴ヶ丘に着くと、昌昭さんや政宗さんの仲間が待っていました。
皆で参拝した後で、茅ヶ崎まで戻って食事をしました。
優美さんや慶子さんといろいろ会話しました。
いろいろなしきたりを教えてもらいました。
ただ、仲良くやるには努力が必要だと感じていました。
帰り道は、ルートを変えて国府津から大井松田に出て東名高速で御殿場で降りてアウトレットに寄りました。
皆でつるむよりも、自由行動しましょうと昌昭さんが提案しました。
有記さんと2人きりになりたいのか昌昭?
政宗さんに冷やかされましたが、一時間後に待ち合わせして解散しました。
昌昭さんは、肩を抱きながら、あの2人と上手くやれなくても気にしなくて良いよ。私は有記が大切なんだよ。
昌昭さんは心配していたみたいでした。
本当なら、昌昭さんと慶子さんの話があったのを昌昭さんは当時、別の女性がいたから信光さんがアタックしたと話してくれました。いろいろな買い物をして、最後にランジェリーショップに入ったら、政宗さんと優美さんがいました。
昌昭、考える事は一緒だな。
政宗さんと昌昭さんが笑っていたら、信光さんと慶子さんも来ました。
何だ、皆考える事は一緒なんだな。
このランジェリーショップは本当に派手でエロチックな下着が多いから、私も優美さんも慶子さんも、沢山買ってしまいました。
私は、五万くらいでしたが、優美さんは、その倍以上でした。
慶子さんも、私くらいかな?
昌昭さんは会計の時に下着を見ないでいました。
楽しみが減るからだと言ってました。
この下着をいつ見せようか考えていました。