不定期連載で、載せます。命の狭間である病院にはいろいろな話があります。
一般よりもナースの給料は高いですね。
それは重労働プラス口止め料金も入っています。
雪乃もかつてナースだったし、その関係で知り合いのナースは結構います。
今でも、雪乃の命日には、お参りに来てくれる人はいます。
そんな方達をお茶に誘う時にいろいろな話をしてくれます。
そして、こんな話をしてくれました。
とある東北にある大学病院であった話なんですよ、昌昭さん。
恵美子が話を始めました。精神科の入院患者で、ルックスとプロポーションはモデル並みの女性がいました。
感情をセーブ出来ない病気で、したくなったらすぐに行動します。
雑誌を読んで興奮して、電車の中で自慰をした女の子でした。
ある時、研修生の男性に一目惚れをしました。
直ぐに行動を起こして、研修生を誘惑しました。
感情が押さえられないだけで、後は知能は常人並みか奸計にかけては天才かも知れませんでした。
女性の家は、地元の名家で父親は県会議員でした。
女の子は、研修生に裸を見せて興奮させて関係を持ちました。
既成事実が出来ると、看護師長と院長にその事を告げました。
保身に勝るものはない地域です。
院長は、因果を含めて研修生と女の子を結婚させました。
たった一回の過ちで人生を終わらせたくない。
この女の子を利用して、出世をしてやろうと考えました。
義父の力を利用して、トントン拍子に出世しました。子供は作らないように営みはしていました。
そして、内科の教授にまで上り詰めました。
さらに幸運な事に、義理の両親が旅行中に事故に会い亡くなりました。
教授ともなれば、言い寄る女は沢山います。
男は、ヒステリックな女にウンザリしていました。
昔の美貌は影を潜めて、ただの太った豚になっていました。
男は、女房を入院させました。
そして、人を買収してわざと鎮痛剤にモルヒネを使い、麻薬患者にして、最期は自殺に追い込みました。
この女性の事は、異常な女として有名でしたから、教授は同情されても疑われませんでした。
しかし、ハッピーエンドにはなりませんでした。
教授が再婚相手に考えていた女性とドライブに行った帰り道でした。
幽霊が出る事で有名なトンネルを通り抜けようとした瞬間に、フロントガラスにドサッ 女が降って来ました。
ギャー、教授はハンドルを切りました。
教授は即死しました。
しかし、女性は生き延びましたが、精神異常をきたして、かつて教授の奥さんが入院した部屋に入りました。
そして、その部屋には毎晩女の霊が現れて女性と会話して不気味な笑い声を上げていました。