異聞徳川光国2

儀式が終わり、ご三家の控え室に一同が戻りました。尾張義直が光国に声をかけました。
光国殿、拙者や紀州殿の城が見たいと言われたがそれだけかな？
光国は、照れながら言いました。
尾張の叔父上の居城は天下一の名城と聞きます。
さらに叔父上の蔵書も拝見しとう御座います。
紀州の叔父上の和歌山城は連立式の天守閣と聞いております。
さらに、鯨を取る漁を見たいです。
尾張義直は、国学の権威で多数の蔵書があった。
光国も国学に興味深く勉強していて、たまに義直に江戸屋敷で教えてもらっていた。
紀州頼宣は、酒の飲み方や雑学を教えていた。
一度光国と光貞と三人で忍び歩きをした間柄であった。
義直は、やはりそのような考えがあったか。
尾張でみっちり教えてしんぜる。
さらに頼宣も、鯨を取る所を見せてしんぜる。
腰を抜かさぬようにな。
こうして話が盛り上がっていた時に、松平信綱が現れて頼房を家光の元に案内した。